お役立ちコラム

オンボーディングとは?
メリットや具体的な施策を事例とともに解説

2022年08月31日
  • 採用のノウハウ
  • SPI3の活用

従業員の満足度向上や人材の定着を図るため、採用後や配属後に継続的な人材育成を行う「オンボーディング」に注力する企業が増えています。採用・登用された人材が、最も揺らぎやすい時期にオンボーディング施策を行うことで、組織の中でいきいきと活躍する人材を増やすことができるといわれています。

本記事では、オンボーディングの概要や施策について解説し、適性検査SPIを活用した弊社リクルートマネジメントソリューションズのオンボーディングの事例をご紹介します。

オンボーディングとは、新入社員が定着し戦力化するために組織が行う取り組みのこと

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オンボーディングとは、入社直後に一律的、かつ包括的な内容で行われる新人研修とは違い、チーム単位や担当業務単位で継続的に行われる定着・戦力化支援の取り組みのことです。

オンボーディングという言葉の由来は、船や飛行機などの乗り物に乗っていることを表す「on-board」です。元々、乗組員や乗客が環境に慣れるようサポートするプロセスを指しており、人事領域でも新入社員の早期活躍と、自社への定着に向けた取り組みを示す意味として使われるようになりました。

なお、ここで記載している新入社員とは、その年度に新卒で採用された社員だけでなく、中途採用者、部署異動によって新しい業務に取り組む在籍社員なども含みます。



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オンボーディングが注目される背景

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人事には、人材不足による採用困難や新入社員の早期離職などの問題があります。これらの問題を解決する糸口としてオンボーディングが注目されている背景を詳しく解説します。

●人手不足が慢性化し、採用がますます困難になっている

少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少は、短期的な解決が難しい社会的な問題です。今後、労働力不足はさらに進み、企業はこれまで以上の人手不足に悩まされることになるでしょう。オンボーディングによって、新入社員の不安が大きい時期に手厚くサポートできれば、エンゲージメントを高め、長期的な活躍につなげることができます。そのため、限られた人数で効率的に業務を行える組織づくりの一助として、オンボーディングが注目されているのです。

●新入社員が、入社や異動直後に早期離職してしまう

早期離職の原因はさまざまですが、仕事や人間関係のミスマッチが原因であることは少なくありません。オンボーディングには、社風や職務内容、メンバーの人柄などを把握し、組織へのスムーズな順応を図る効果があります。まず「職場・組織に適応する」ことで、相談相手ができ、「仕事・職務への適応」をスムーズにすることが可能となるのです。オンボーディングを活用して、新入社員と新しい職場とのあいだに起きているミスマッチを把握できれば、職場・組織における立ち上がりで、新しく入ったメンバーがつまずくポイントが見えるため、早期離職の原因を減らすことにもつながります。

 

オンボーディングのメリット

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オンボーディングを行うことで、新入社員だけでなく、企業にとってもメリットがあります。大きくは次の3つです。

1. 新入社員の早期戦力化

オンボーディングを行うメリットとして、新入社員の早期戦力化につなげられるということが挙げられます。

新入社員は、明文化されていない組織の決まりごとやシステムなど、知るべきことがたくさんあります。同時に、社風や所属するチームにも順応しなくてはなりません。

オンボーディングで、組織のルールや雰囲気など新入社員が知っておいたほうが良い情報を共有しておくと、新入社員は職場になじみやすくなり、安心して仕事に専念することができます。そして仕事が早めに身に付き、早期戦力化につながります。

2. 早期離職の防止

オンボーディングを行うことで、早期離職の防止にもつながります。

オンボーディングによるきめ細かなフォローは、組織になじむことを促進することで組織の一員としての実感を新入社員に与え、仕事での立ち上がりがスムーズになることで満足度を高めるからです。また、いち早く活躍できるようになれば、自信を持って仕事に邁進し、より会社・組織に貢献したいと思うようになるでしょう。

結果として、早期離職を防ぎ、長期的に活躍する人材を育成することができます。

3.採用コストの削減

オンボーディングを行うことで採用コストの増加を防ぐことができます。

新人が、自社に定着する前に離職してしまうと、求人広告や研修などの採用コストが膨らんでしまいます。しかし、オンボーディングによって定着率が向上すれば、早期離職によるコスト増を防ぐことができ、結果として採用コストの削減につながるでしょう。

 

オンボーディングの効果的な実施タイミングと施策例

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オンボーディングは、入社や配属、異動前から継続的かつ定期的に行われる点に特徴があります。一般的には、以下の3段階のプロセスで、それぞれの目的に沿って実施すると効果的です。

STEP1. 入社・異動前に行う

内定が出たり、異動が決まったりした後、実際に働き始めるまでの不安や疑問を放置すると、ミスマッチによる早期離職につながる可能性があります。企業独自のルールや社風、職務内容を知り、意欲を高めてもらうために、入社・異動前からオンボーディングを行いましょう。

<入社・異動前のオンボーディングの例>
・先輩社員との面談や懇親会
・職場見学
・企業文化や部署の雰囲気の説明

STEP2. 入社・異動直後に行う

入社や配属、異動前のオンボーディングを行っていても、実際に働いてみるとわからないことが出てきたり、不安になったりするものです。不安定になりやすい時期であることを踏まえてフォローし、早期戦力化を図ることが大切です。

<入社・異動直後に行うオンボーディングの例>
・理念やビジョン、チーム目標などの説明
・専門知識などを学ぶフォローアップ研修
・社内用語や社内ルールの説明
・誰に何を聞けばよいかがわかる関係者紹介

STEP3. 入社・異動の数カ月後

少しずつ新しい環境に慣れてくると、次第に自分が描くキャリアと実現可能性の高いキャリアとのギャップに気づき、離職を考えてしまう場合があります。継続的なコミュニケーションでギャップを埋め、想定外の離職を防ぎましょう。

<入社・異動の数カ月後に行うオンボーディングの例>
・キャリア面談
・懇親会
・人事面談

 

オンボーディングにも使える、適性検査SPI

採用や初期選考に使用するイメージが強い適性検査SPIですが、実際には入社や配属、異動の決定にも活用されています。具体的には、以下の6つの活用場面があります。

 

■適性検査SPIの活用場面
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・初期選考
・面接
・内定者フォロー
・配置、配属(部署異動)
・育成
・採用振り返り

適性検査SPIを活用したオンボーディングは、すべてのシーンに活用することができますが、特に配置・配属(部署異動)と育成の場面でおすすめです。続いては、具体的な活用事例を紹介します。

 

適性検査SPIを活用したオンボーディング事例

ここからは、中途採用および新規部署への異動におけるオンボーディングにおいて、弊社リクルートマネジメントソリューションズが行っている適性検査SPIの活用事例を紹介します。HRアセスメントソリューション統括部マーケティング営業部において、多くの新入社員の受け入れを行ってきた、部長の松島優子から解説します。

事例1:面談と適性検査SPIの実施で部下の本質的な強みを把握し、モチベーションを上げる

異動により、新しい部署に上司として着任した場合や、チームに新たなメンバーが加わった場合、適性検査SPIを活用したキャリア面談を行います。適性検査SPIのデータから、メンバーに響く指示の仕方、モチベーションアップにつながる伝え方、飛躍につながりそうなプロジェクトなど、ある程度事前に想定することができます。これらを活用して面談をすることで、モチベーション向上や職場での活躍を促しています。

事例2:半期に一度の育成会議で適性検査SPIの結果を参照し、新たなミッションを検討する

管理職による半期に一度の人材育成会議で、メンバーの成長につながる、次半期のアサインを検討します。その際に、各メンバーの成果と適性検査SPIのデータを照らし合わせるため、明確な根拠を持って検討に当たることができるのです。直近で印象に残った出来事や発言などの主観に影響されることなく、成長につながるミッションを割り振ることができます。

事例3:適性検査SPIの報告書で自己理解を促し、成長を実感してもらう

意欲ある社員ほど、「早く成果を出したい」と思うものです。「できるはずなのにできない」「やりたいのにやれない」といったギャップにばかり目が向くと、モチベーションが下がり、前向きに職務や仕事へ向き合うことが難しくなることがあります。

こうした場合、適性検査SPIの「本人フィードバック用報告書」を、本人に返却して自己理解を促す方法も有効です。強みと弱みを客観的に認識してもらうことで、強みの活かし方や苦手な事柄への向き合い方を考えるきっかけになります。メンバー自身が理解を深めることにより、自分の成長を加速させていくことにつながります。

 

適性検査SPIをオンボーディングに活用し、優れた人材の定着につなげよう

 

弊社リクルートマネジメントソリューションズが提供する、適性検査SPIは、採用だけでなくオンボーディングにも活用できます。適性検査SPIの結果を参考に上司がメンバーを理解したり、メンバーが自分自身を理解したりすることで、職場へのスムーズな定着と、活躍につなげることができるでしょう。

さらに適性検査SPIは、採用の振り返りにも有効です。採用、配属、そしてオンボーディング、さらに振り返りと、適性検査SPIの活用範囲を広げてこのサイクルを回し、優れた人材の活躍につなげていきましょう。

 

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小さいプロフィール 松島 優子.jpg
  <事例紹介>
   株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
   HRアセスメントソリューション統括部
   マーケティング営業部 部長
   松島 優子