お役立ちコラム

採用面接の評価基準を明確化!
評価項目を決める際のポイントを解説

2020年04月21日
  • SPI3の活用

面接において面接者によって「視点の不一致」があると、人によって候補者を見るポイントが異なり、評価にばらつきが出てミスマッチの原因になってしまいます。そこで今回は、面接者全員の視点を統一するための採用基準や評価基準の決め方や、SPIの使い方を紹介します。

面接の評価基準を明確化するメリット

採用基準や評価基準を明確化することには、主に2つのメリットがあります。どちらも、人材確保に関する重要なメリットとなりますので、確認しておきましょう。

●公平な選考で有能な人材を逃さない

複数の面接者が採用に関わる際、採用基準や評価基準がないと、面接者が個々の判断で通過・不通過を判断することになります。

この場合、候補者の何をもって「良い」と判断するかが面接者によって異なるため、合否の基準が不明瞭で、公平な選考となりにくいでしょう。ある面接者が一次面接で不通過とした候補者でも、別の面接者が見ていたら最終面接まで残ったかもしれず、自社にとって本当に必要な人材を見落としてしまう可能性もあります。

採用基準や評価基準があると、面接者全員に共通する判断軸ができ、面接者が誰であっても企業にとって有用な人材を採用できるようになるのです。

●入社後の定着率が向上する

入社後、社風になじめなかったり、人間関係がうまくいかなかったりして早期離職する人は少なくありません。

こうしたミスマッチを防ぐには、自社で長く活躍している人材の共通点を集め、「自社にマッチした人物像」をあらかじめ把握して、採用基準に取り入れることが重要です。

設定した採用基準に達した人を採用することで、定着率を向上させることにつながります。

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面接者が複数いると起こりやすい「視点の不一致」

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複数の面接者が同時に面接を行う場合や、一次、二次、最終といったように面接者が変わる場合に注意したいのが、面接者の「視点の不一致」です。

前項の「面接の評価基準を明確化するメリット」でもふれましたが、面接者A氏は経験重視、面接者B氏は人柄重視といったように、面接者ごとに候補者を見ているポイントが異なると、最終的に何をもって採用・不採用を決定するかという判断にぶれが生じ、選考の公平性が損なわれます。

また、面接者によって選考基準が異なるということは、会社が求める人物像が明確に定義されていないということであり、自社の理念や方向性に対する候補者の共感度や意欲、資質にばらつきが生じる原因になります。結果としてミスマッチが起こり、内定辞退や入社後の早期退職につながる可能性も否定できません。

具体的には、次のような問題が起きたときに、視点の不一致を疑う必要があります。

<視点の不一致が原因と見られる問題>
・人事担当者と現場の責任者のあいだで、採用・不採用の判断がよく異なる
・書類選考後、面接を通過する確率が低い
・採用したものの、現場で活躍できずに辞めてしまう人が多い

例えば、知的能力が高く平均的な行動力を持った学生を面接したとします。
行動力を重視する面接者は物足りないと捉えましたが、知的能力を重視する面接者の場合、行動力は高くないが、頭が良いのでぜひ欲しい学生と捉えるということが起こりえます。

ぶれない採用を実現する、採用基準・評価基準の決め方

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面接者の視点の不一致が原因で採用活動が難航している場合、「企業として、こういう人を採用したい」という最低限の採用基準を設定し、さらに採用基準に合致するかどうかを見るための評価基準を置くことが大切です。

なぜなら、最低限の採用基準にあたる「求める人物像」はどうしても漠然としがちで、属人的な判断につながりやすいからです。

こうした事態を避けるために、まずは採用基準を明確化し、評価項目を作成します。次に、すべての面接者が共有できる評価基準を作りましょう。

1. 求める人物像を明確にして採用基準を作る

求める人物像を明確にする方法として、まずは在職中で活躍している社員に共通する要素を列挙して、具体的な言葉で整理します。要素は、「スキルや能力」「人物タイプ」「志向性」の3つに分類すると、わかりやすく採用基準を設定できます。下記は、採用基準の一例です。

<スキルや能力>
入社の段階で持っていてほしいスキルや能力を洗い出します。

・学力レベル
・資格
・コミュニケーション能力がある
・論理的思考ができる
・営業力がある
・マネジメント能力がある など

<人物タイプ>
人物のタイプをイメージして言語化します。

・前向きで主体的、行動的である
・誠実である
・あきらめない粘り強さがある
・ストレス耐性があり、変化に柔軟に対応できる など

<志向性>
どんな意識で仕事に取り組んでほしいかを考えます。

・仕事を通して自己成長を目指したい
・人間関係が良い職場で働きたい
・裁量権を与えてもらいたい
・社会に貢献でいる仕事がしたい など

2. 評価項目を作る

評価項目は、採用基準を満たす候補者かどうかを面接の中で確認しやすくするよう、採用基準をより具体化したものです。

評価項目を決めるときは、採用基準に紐づける形で考えていくことをおすすめします。

<評価項目例>

採用基準:
・コミュニケーション能力がある

評価項目:
・相手に不快感を与えない話し方で、わかりやすく自己紹介できる
・対人関係における候補者のポリシーが社風と合致する

3. 評価基準を作る
評価基準は、評価項目がどのようなレベルにあれば基準をクリアしているとみなすかを示す客観的な指標です。

各項目について優先順位を決め、どのような形で評価すれば適正な判断ができるかを考えましょう。

どの面接者でも公平に判断できるのは、点数による定量評価です。5段階評価とし、真ん中の「3」を標準値とすることで、面接者が違っても客観的に適正な判断をすることができます。

<評価基準例>

採用基準:
・あきらめない粘り強さがある

評価項目:
・ずっと続けていることや、失敗を乗り越えたエピソードがある

評価基準:
・失敗を経験し成功に転じたエピソードがある...5
・学生時代を通じて1つのことに取り組み、成長している...3
・特に取り組んできたことはない...1

面接の評価基準に活用できるSPIの使い方

「面接だけではどうしても属人的な判断が入り込む余地がある」というときに活用したいのが、客観的に個々の持ち味を把握できる適性検査のSPIです。

SPIは、面接者の主観ではなく、共通の指標で候補者の強み・弱みを見るためのものです。

「自社の仕事や社風に合うか」といった適合性はもちろん、面接での質問や候補者への接し方も事前に把握しておくことができるので、履歴書や一度きりの面接だけでは見落としてしまうかもしれない長所や本当の魅力に気づきやすくなります。

SPIを実施した後に作成される報告書には、候補者のタイプに合わせた、コミュニケーションのOK例とNG例が具体的に記載されています。そのため、面接前にSPIを導入することで、面接に不慣れな面接者でも効果的に接することができ、面接者によるばらつきを防ぎつつ候補者を理解することができるでしょう。

導入する場面によって、書類選考から一次面接へ進む候補者選定の一助としたり、最終面接を終えた候補者の印象を裏づける資料としたりと、さまざまなパターンでの活用が可能です。

面接では、採用基準に合わせた評価基準の統一も重要

面接は、候補者の人となりをさまざまな角度から見極めるために、複数回行うのが一般的です。多様性を担保する上で、採用が独断的でないことはとても重要ですが、各面接者の主観による採用選考は、内定辞退や早期離職につながる可能性があるため避けなくてはなりません。

主観に頼らず、客観的に候補者の強み・弱みを見るために、採用基準だけでなく、採用基準に合わせた評価基準も設けましょう。さらに、SPI3もいっしょに活用すると、より深く候補者の人柄を知ることができます。

面接の一助としてSPIを活用し、公平な面接を行って候補者との最適なマッチングを図りましょう。

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