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ストレス耐性が高い人を採用したい、と思ったときに

2020年02月10日SPI3について

従業員のメンタルヘルス不調は、日本企業において従来から注目されているテーマです。メンタルヘルス不調への採用場面における対策の1つとしては、いわゆる「ストレス耐性」の高い人を採用する、という話になりがちなのですが、そうした対策は果たして効果的なのでしょうか。本文では、改めて企業におけるメンタルヘルス不調を取り巻く背景と要因をまとめ、採用(面接や適性検査)における、本テーマへの向き合い方についての整理を試みています。

①「メンタルヘルス不調にならない人≒ストレス耐性の高い人」を面接や適性検査で見極めたい!の背景

企業において、従業員のメンタルヘルスは、従来から関心が払われてきたテーマです。特に、日本では、社会全体として少子高齢化が進む中、労働力人口の減少が目前に迫っています。限られた人的リソースを最大限に活用するという意味でも、従業員が企業において生き生きと働くことは、企業、個人双方にとって、今後ますます重要なテーマとなっていくと考えられます。

人事の採用担当の方とお話しさせていただくと、「メンタルヘルス不調にならない人≒ストレス耐性の高い人」を面接や適性検査で見極めたい、というご相談をいただく機会も多くあります。こうしたご相談の背景には、上述したような状況があるのだろうと思いますし、悩まれている採用担当の方も多いのではないかと思います。それでは、「メンタルヘルス不調にならない人≒ストレス耐性の高い人」を面接や適性検査で見極めたい、というテーマをどのように考えるとよいのでしょうか。まずは、メンタルヘルス不調が起こる要因について簡単に整理をしたいと思います。

②メンタルヘルス不調が起こる要因

そもそも、企業におけるメンタルヘルス不調の要因としてはどのようなものが関連しているのでしょうか。メンタルヘルス不調が起こる要因を整理した有名なモデルとして、アメリカ国立労働安全衛生研究所により提唱された職業性ストレスモデル(図1)があります。

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このモデルでは、仕事のストレス要因によって、ストレス反応が生じ、それによりメンタルヘルス不調などの疾病が生じる際、個人要因、仕事外の要因、緩衝要因がストレス反応に影響を与えるとしています。また、仕事のストレス要因にも様々な種類の要因があります。例えば、厚生労働省が行っている「平成30年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活における強いストレスとなっていると感じる事柄の上位には、「仕事の質・量」、「仕事の失敗、責任の発生等」、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」などが挙げられています。その他、組織内の役割の曖昧さや裁量権のなさといった組織風土も職場のストレス要因としてあげられることが多い項目です。

職業性ストレスモデルに示されているように、個人の性格特性がメンタルヘルス不調に影響を与えることも確かにあります。例えば、情緒の安定性とメンタルヘルス不調に関係性があることは多くの研究でいわれています。一方で、こうした性格特性の一面だけに着目し、情緒の安定性が高い人をいわゆる「ストレス耐性の高い人」として採用すれば、自組織におけるメンタルヘルス不調者が減るのでしょうか。モデル内のメンタルヘルス不調に関連する要素の複雑さをみていただけると、必ずしもそうではないことがご理解いただけるかと思います。そうはいっても、自社のメンタルヘルス不調者を減らすために、採用(面接や適性検査)で取り組めることはないのでしょうか。

③採用で取り組めること

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上述したように、メンタルヘルス不調の背景には様々な要因があることを考えると、採用においては、「多面的な応募者理解」という観点が、重要になってくるのではないかと考えています。具体的には、いわゆる「ストレス耐性」という一側面だけではない本人特性の理解、自社の組織や職務と合いやすいのかどうか(マッチング観点)の把握、入社後に周囲でサポートできる環境を準備できるか、等の観点が重要になってくると考えています。

1) ストレスのかかる環境下における本人の特性を多面的に把握する

ストレスのかかる環境下に置かれた際、ストレスを感じやすいのか、受け流すことができるのか、ストレス要因の解消に向けて積極的に働きかけられるのか、など多面的な観点で確認することが重要です。ストレスそのものは、個人にとって必ずしも悪い影響を与えるばかりではなく、自身の成長につながるという側面もあります。本人の中でストレスをどのように捉えて、対処する傾向があるのかを確認していくことが大切なのではないでしょうか。

2) 環境(組織や職務)との相性を確認する

自社の組織風土や任せる職務内容が、応募者にとってストレスを感じやすいものなのかを確認することが重要です。例えば、自由闊達な組織風土に対して、仕事を進めやすいと感じる人もいれば、メンバー間の距離が近すぎて逆に仕事を進めづらく苦手に感じる人もいます。自社の環境と応募者の特徴を照らした上で、自社に馴染めそうかを確認することが重要です。

3) 入社後のサポートを考慮に入れる

1) や2)の情報を踏まえた上で、実際入社後に本人の特徴を踏まえた上での関わりやフォローを行うことができるかどうかも重要なポイントとなります。仮にいわゆる「ストレス耐性の低い」応募者であったとしても、入社後にきちんとしたサポートを受けることができれば、生き生きと働いて行ける可能性は十分あります。逆に「ストレス耐性の高い」応募者であったとしても、入社後のサポートが十分でなければ、うまく馴染めない可能性もあります。入社後に配属する予定の環境を踏まえ、必要なサポートが受けられそうかどうかを考慮することも重要だと考えています。

④SPI3のストレス分析報告書

リクルートの適性検査SPI3では、上記の観点を踏まえ、ストレス分析報告書というオプション報告書をご用意しております。報告書内では、SPI3の結果から抽出した、本人の特性、面接時に確認すべきポイントや質問例、環境との相性、入社後必要なフォローについてのコメントもご用意しており、応募者の特徴を多面的に理解していただけるツールとなっております。適性検査の導入を考えている方は、ぜひSPI3資料のご請求をお申し込みください。パンフレットや報告書の見本など、ご検討に必要な資料一式をお送りいたします。