お役立ちコラム

早期離職は減らせる?
離職の原因と対策すべき理由、対策方法を紹介

2023年02月10日
  • SPI3の活用

早期離職とは一般的に、入社から3年以内で社員が退職してしまうことを指します。売り手市場で採用難が続く中、ようやく採用した社員がすぐに辞めてしまうのは企業にとって痛手です。採用コストや育成コストが無駄になるだけでなく、在籍社員のモチベーションを下げる可能性もあるでしょう。
本記事では、早期離職の現状や理由のほか、早期離職が企業に与える影響について解説。早期離職に悩む企業がとるべき対策についても紹介します。

早期離職の現状

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 一般的に、「入社から3年以内に社員が辞めてしまうこと」を早期離職といいます。
厚生労働省が取りまとめた新規学卒者の離職状況によれば、2019年3月卒業者の早期離職率は、新規高卒就職者で35.9%、新規大卒就職者で31.5%でした。前年までの数字から比較しても大きな変化はなく、3年で3割が退職するといわれる状況は続いています。



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早期離職の理由

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社員が早期離職をしてしまう理由はいったい何でしょうか?内閣府が公表している「平成30年版 子供・若者白書」の「特集 就労等に関する若者の意識」によると、学校を出てから初めて就いた職の離職理由として、多くを占めているのは次の4つです。

●仕事が自分に合わなかったため

離職理由としては、「仕事が自分に合わなかったため」が43.4%と最多でした。「平成30年版 子供・若者白書」の「仕事をする目的」についての質問には、「仕事を通して達成感や生きがいを得るため」「自分の能力を発揮するため」との回答が多く見られました。社員が、仕事に対してやりがいや興味を感じられるようにすることは、早期離職を防ぐ上で最重要ポイントといえそうです。

●人間関係がよくなかったため

仕事が合わないという理由の次に多い離職理由は「人間関係がよくなかったため」で、23.7%でした。職場の人間関係は、働く上でなくてはならないものであり、仕事への満足感や組織への愛着と深く関係しています。人間関係が良ければ離職しないわけではありませんが、人間関係が悪い場合、離職する可能性が高まるといえるでしょう。

●労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため

離職理由に「労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため」と回答した割合は23.4%ありました。働き方改革が進み、昨今は働き手もワークライフバランスを重視して企業選びをするようになっています。労働環境の改善に向け、労働時間や残業時間を社内外に向けて可視化する企業も多く、他企業と条件面を比較して転職を選ぶ人が増えているようです。

●賃金がよくなかったため

離職理由として「賃金がよくなかったため」を選んだ割合は20.7%。「平成30年版 子供・若者白書」の「仕事をする目的」の回答で最も多かったものは、「収入を得るため」で84.6%でしたから、賃金について納得感が得られなければ離職につながるのもやむをえません。
現状では、成果主義を導入する企業が増えている反面、近年は転職することが珍しくなくなっており、転職に対するネガティブなイメージは薄らいでいます。給与が上がるのを待つのではなく、転職することで自身の待遇をアップするという考え方も一般的になっており、離職を決断する人が多いと考えられます。

●ノルマや責任が重すぎたため

離職理由を「ノルマや責任が重すぎたため」とした割合は19.1%でした。無理なノルマや、その人の力量に見合わない責任あるポジションは、プレッシャーによる早期離職の原因になります。
リモートワーク環境で勤務する人が増え、上司はメンバーの様子が見えにくい中で、お互いの認識にズレが生じている可能性が出ています。上司の想定よりも、メンバーがノルマや責任を重くとらえている、または負荷が高い状況にあるということに気づきにくく、このような状況を放置しておくことで、離職を招く可能性が高まってしまうようです。

早期離職による企業への影響

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 早期離職の理由について見てみましたが、早期離職が続くと、企業にはどのような悪影響があるのでしょうか。大きくは次の3つが考えられます。

●採用、育成コストが無駄になる

早期離職により、採用、育成コストが無駄になってしまいます。社員を一人採用して戦力化するまでには、求人広告費や人材紹介会社への紹介料、面接担当者の人件費、オンボーディング費用などの採用・育成コストがかかります。早期離職は、こうしたコストの損失につながります。

●企業イメージが悪化する

早期離職が目立つと、企業のイメージ悪化につながりかねません。離職率が高い企業は、「社員に優しくない企業」「働きにくい環境」といったイメージを持たれがちです。人材の採用もしにくくなるでしょう。

●次世代のリーダーが育たない

早期離職されてしまうということは、貴重な人材が育たないということです。将来のリーダー、幹部候補となる人材は、早くから重要な仕事にアサインし、計画的に育成する必要があります。若手人材の早期離職が続くと、時間をかけた育成ができず、優秀なリーダーが育ちにくくなります。

 

効果が見込める、7つの早期離職対策

80_img_04.jpgある程度の早期離職は防げないからと放置せず、未然に防ごうとすることが大切です。ここからは、若手の早期離職防止に効果的な対策を7つ紹介します。

●求人情報や面接を通じた正しい情報発信をする

早期離職を防ぐ対策は、採用する前から行えます。求人情報や面接を通じて、正しい情報発信を心掛けてください。
給与や社風、人間関係のミスマッチは早期離職を招く可能性が高まります。募集の段階から正しい情報発信を努め、候補者に誤解を抱かせないようにしましょう。

●社内コミュニケーションを活性化させる

早期離職を防ぐためには、社内コミュニケーションの活性化が効果的です。2年目、3年目の社員は、独り立ちしたとみなされて周囲の関心やフォローが減り、不安や悩みを打ち明ける場がなくなる傾向にあります。
頼れる人がいない孤独感は組織への帰属意識を失わせるため、先輩や上司が意識的にコミュニケーションをとることが重要です。

●期待している役割を伝達する

社員に対して期待している役割を伝達することも、早期離職を防ぐ対策になります。
「何によって評価されるのか」がわからないと、社員のモチベーションは上がりません。1on1などを活用し、期待する役割を伝えることが大切です。

●人材育成の体制について見直しを行う

早期離職を防ぐために、社員の育成体制の見直しを行いましょう。社員一人ひとりが理想のキャリアパスを実現できるよう、個別に適切な育成を行う体制を整えることが大切です。
「自分の理想のキャリアが手に入る」と感じれば、社員は離職を考えなかったり、もし離職を検討しても思いとどまったりする可能性が高まります。

●労働環境や労働条件の見直しを行う

早期離職の理由として挙げられていた残業の多さや休日・休暇の条件については、労働環境・条件の見直しを行うことが有効です。
心身ともに充実した状態でやりがいを持って働けるよう、就業時間に柔軟性を持たせたり、手当の支給条件を変更したりしましょう。
在宅勤務を取り入れるなど、働き方の多様化もおすすめです。

●人事制度や給与形態の見直しを行う

給与や待遇が理由の早期離職が多い場合は、人事制度や給与形態の見直しが効果的です。評価と報酬の結びつきを明確にし、実績が目に見える形で報われる制度を導入しましょう。
制度の例としては、実績連動型の賞与やインセンティブ、表彰制度や昇進・昇格制度などがあります。

適性検査のSPIを活用して早期離職を防ぐ

80_img_05.jpgSPIは、その人の性格や能力といった、見えづらい資質を可視化する適性検査です。
適性検査のSPIは、採用の初期選考で使うツールというイメージが強いようですが、受検者の人となりや特徴について理解を深めることができるため、採用面接や入社後のコミュニケーションにおいても活用できます。
SPIの検査結果でつまずきやすいポイントや、コミュニケーションのとり方、また仕事の進め方へのなじみやすさの把握が可能です。そのため、採用面接はもちろん、入社後のオンボーディングや面談などの場面で、本人に響きやすい声かけやフォローを行いやすくなり、離職防止や定着の後押しに役立ちます。

離職要因を見つけ、優秀な若手人材の定着につなげよう

入社した社員が、3年以内で離職してしまう早期離職。早期離職は、コストの損失や将来を担う幹部候補不在の原因になり、企業の経営に大きな影響を与えかねません。早期離職してしまう理由はさまざまありますが、企業側の努力によって防いだり、早期離職の割合を減らしたりすることは可能です。
早期離職の対策はいくつかありますが、中でも適性検査のSPIを活用することで、その人の人となりを理解した採用や、その人に寄り添った採用後の育成が可能となり、人材の定着が見込めるようになります。
早期離職を防ぐため、自社の内的要因に沿った対策を実行しましょう。


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