適性検査SPI3お役立ちコラム

面接で「志望度を上げる」にはどうしたらいいの?
面接官の振る舞いが応募者の心を動かすメカニズムを解説!

2026年07月31日
  • 人事調査・研究

人口減少が進む中、企業が「選ぶ側」から「選ばれる側」にもなりつつある時代。実は、採用面接のやり方ひとつで、応募者の志望度は大きく変わるんだよね。
今回は、リクルートマネジメントソリューションズの研究員が発表した論文をもとに、面接で志望度に影響を与える要因について、SPI のマスコットキャラクター・スピーさんが、新米人事のAくんと、わかりやすく紹介するよ! 論文を見る →

「面接って、選ぶためのものじゃないんですか?」
Aくん
Aくん
スピーさん、ちょっと聞いてもいいですか? うちの会社、最近ぜんぜん内定承諾してもらえなくて......。面接ではしっかり自社に合ってる人を見極めているつもりなんだけど。
スピーさん
スピーさん
A くん、気持ちはわかるよ。でもね、面接って「見極める場」であると同時に、「応募者に自社を好きになってもらう場」でもあるんだよね。
Aくん
Aくん
え、面接で志望度が変わるの?
スピーさん
スピーさん
うん、新卒学生向けの調査では、「志望度の向上にもっとも影響が大きかった場面」として面接が 1 位に挙げられているんだよ。
Aくん
Aくん
そうなんだ! 面接って、ほぼすべての企業でやってるよね。
スピーさん
スピーさん
そう。対面の面接は 94.7%、Web 面接も 69.1% の企業が導入しているから、合わせるとほぼ全企業で面接は行われている。つまり、ほぼすべての応募者が通るプロセスだからこそ、そこでの体験が志望度を大きく左右するってわけだね。

「じゃあ、面接で何をすれば志望度が上がるんですか?」
Aくん
Aくん
面接が大事なのはわかりました。でも、具体的に何が志望度に影響するの?
スピーさん
スピーさん
いい質問だね! 今回紹介する研究では、面接の中で起こることを大きく 4 つの視点に分けて調べているよ。
  • 面接官の反応──「すごいですね」「さすがです」といった肯定的な相槌や、応募者の話に対して具体的な根拠を示して肯定する発言など
  • 面接官からの評価──応募者が「自分の経験やスキルを高く評価された」「受け答えが高く評価された」と感じたかどうか
  • 面接官の特徴──あたたかみがあったか、話しやすい雰囲気だったか、自分のことをよく知ろうとしてくれたか
  • 面接官からの情報提供──入社後に行う仕事について話してくれたかどうか
Aくん
Aくん
なるほど、「面接官がどう振る舞ったか」を色々な角度から見ているんだね。

「一番大事なのは"面接官のあたたかみ"だった!」
Aくん
Aくん
で、結果はどうだったの?
スピーさん
スピーさん
大学生・大学院生 334 名を対象にした調査の結果、志望度の変化に影響していたのは次の 3 つだったんだ。
  • 面接官の特徴(あたたかみ、話しやすさ、知ろうとする姿勢)──もっとも影響が大きい!
  • 面接官からの評価(高く評価されたと感じたかどうか)
  • 面接官の反応(肯定的な相槌や、具体的な根拠を示した肯定)
Aくん
Aくん
おお、全部「面接官の振る舞い」に関するものだね!
スピーさん
スピーさん
そうなんだよね。なかでも面接官の「あたたかみ」の影響がいちばん大きかったのがポイント。応募者は、面接官の態度を「この会社ってこういう雰囲気なんだな」というシグナルとして受け取るから、面接官=会社の顔なんだよ。
Aくん
Aくん
たしかに、面接官が冷たいと「この会社、雰囲気悪そう......」って思っちゃうもんね。

「仕事の話をしても志望度は上がらないの?」
Aくん
Aくん
あれ、でも 4 つ目の「面接官からの情報提供」、つまり仕事の話をすることは影響はなかったの?
スピーさん
スピーさん
そう、今回の研究では統計的に有意な影響は見られなかったんだ。
Aくん
Aくん
えー、仕事内容を伝えるのって大事じゃない?
スピーさん
スピーさん
もちろん仕事の情報自体に価値がないわけではないよ。ただ、面接の場で一方的に仕事を「売り込む」と、応募者はかえって懐疑的になってしまう可能性があるんだ。
Aくん
Aくん
たしかに、急に「うちの仕事はこんなにすごいですよ!」って言われたら、ちょっと引いちゃうかも......。
スピーさん
スピーさん
そうだよね。大事なのは、応募者の発言を踏まえたうえで仕事の話をすること。「あなたのその経験は、うちのこの仕事で活かせますよ」みたいに、応募者の話に乗せる形ならポジティブに受け取られやすい。これは「面接官の反応」の一部にも含まれている考え方だね。

「内定に向けて順調に進んでいる学生ほど、面接官の反応に敏感!」
Aくん
Aくん
ほかにもおもしろい発見はあったの?
スピーさん
スピーさん
あるよ! 応募者の就職活動の状況によって、面接官の反応の影響度が変わるという結果が出たんだ。
Aくん
Aくん
どういうこと?
スピーさん
スピーさん
研究では、応募者の状況を 3 つのグループに分けて分析しているよ。
  • 「すでに内定を持っていた」
  • 「内定には至っていなかったが、順調に選考が進んでいた」
  • 「面接に落ち続けていた」
この中で、「順調に選考が進んでいた」グループだけが、面接官の肯定的な反応が少ないことで志望度が下がったんだ。
Aくん
Aくん
へえ! すでに内定がある人や、落ち続けている人には影響がなかったの?
スピーさん
スピーさん
そうなんだ。理由を考えるとおもしろくてね。すでに内定がある人は、もう「受かるかどうか」への不安が小さいから、面接官の肯定的な反応にあまり左右されない。逆に、落ち続けている人は「ここで志望度を下げたら就職先がなくなる」状態だから、面接官の反応に関係なく志望度を維持する傾向にある。
Aくん
Aくん
なるほど......! ちょうどゴール直前にいる人が、一番反応に敏感ってことなんだ。
スピーさん
スピーさん
その通り! つまり、他社の選考も順調に進んでいるような優秀な学生ほど、面接官のリアクションひとつで「この会社に行きたい!」とも「やっぱりやめよう......」ともなり得るってこと。他社と選考が重なる時期には、特に意識したいポイントだよね。

「じゃあ、明日から何をすればいいんですか?」
Aくん
Aくん
スピーさん、とてもよくわかりました。まとめると、面接で志望度を上げてもらうには......
スピーさん
スピーさん
うん、ポイントをまとめるとこうなるよ!

📌 面接で志望度を上げるためのポイント

  1. あたたかい雰囲気をつくる話しやすさ、応募者を知ろうとする姿勢が一番大事。
  2. 肯定的に反応する応募者の話に対して、具体的な理由を添えて肯定する。
  3. 高く評価していることを伝える「いいね」と思ったら、それをちゃんと言葉にする。
  4. 一方的な仕事の売り込みは逆効果になりうる情報提供するなら、応募者の話を踏まえて自然に。
Aくん
Aくん
そして、順調に就活が進んでいる学生には、面接官のリアクションが特に大切なんだよね。
スピーさん
スピーさん
そう! 「この学生はぜひ採用したい」と思ったら、面接官がしっかりリアクションを返すことで、相思相愛になれる可能性がグッと高まるんだ。

「研究の留意点」
Aくん
Aくん
ちなみに、この研究結果を理解するうえで注意すべき点とかあるかな?
スピーさん
スピーさん
いい視点だね。研究者自身もいくつかの限界を挙げているよ。たとえば──
  • 今回は応募者の「記憶」にもとづいた回答なので、実際の面接場面とズレがある可能性がある
  • 面接官の実際の言動と、応募者が感じたことが一致しているかはわからない
  • 面接が構造化面接(質問が決まっている面接)だったかどうかは区別されていない
  • 面接を受けた企業の特性や、何次面接だったかも統制されていない
  • 事前にインターンシップなどで情報を得ていた応募者とそうでない応募者の違いも未検証
Aくん
Aくん
なるほど、まだ研究の余地があるんですね。
スピーさん
スピーさん
うん。でも、「面接官の振る舞いが志望度に影響する」という大きな方向性はしっかり示されている。今後さらに精緻な研究が進めば、もっと具体的な面接のコツがわかっていくはずだよ。

「面接は"選ぶ場"であり"選ばれる場"」

採用が難しくなるこの時代、面接は企業が応募者を見極めるだけの場ではない。応募者が「この会社に入りたい!」と思うかどうかを決める、大切な接点でもあるんだよね。

あたたかさ、肯定的な反応、そして評価をきちんと伝えること。特別なテクニックではないけれど、面接官による適切なコミュニケーションは、応募者の心を動かす力を持っている。

「選ぶ」と同時に「選ばれる」面接ができれば、きっと採用の成果も変わってくるはず!