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「成長したい若手」ほど辞めやすい? マネジメントと離職意思の関係性を2万人のSPIデータで読み解いた研究
今回は、リクルートマネジメントソリューションズの研究員が発表した論文をもとに、「上司のマネジメント」と「若手の離職意思」の関係を、SPI のマスコットキャラクター・スピーさんが、新米人事のAくんと、わかりやすく紹介するよ! 論文を見る →
59社・2万人のSPIデータを分析!
スピーさん、最近うちの会社でも若手社員がどんどん辞めちゃって......。上司のマネジメントが大事ってよく聞くけど、実際どれくらい効果あるの?
いい質問だね、A くん! 実はまさにそのテーマを扱った研究があるんだ。リクルートマネジメントソリューションズの研究員が、SPI3 for Employees(以下SPI3EM)を受検した 30歳未満の若手社員、なんと約2万人(59 社)のデータを使って分析しているよ。
2万人! しかも 59 社ってことは、1社だけの話じゃないんだね。
そう。1社あたり平均 340 人くらいのデータだよ。そんな大規模なデータをつかって、個人レベルの話と会社レベルの話を分けて分析できる"マルチレベル分析"という手法を使っているんだ。これがこの研究のポイントの一つだね。
上司のマネジメントって、具体的に何をすること?
ところで、「上司のマネジメント」って漠然としてるんだけど、この研究ではどういうことを指してるの?
この研究では、「サーバント・リーダーシップ」の考え方を参考にして、3つの行動を測っているよ。
- メンバーの特徴や仕事内容を理解して、成長につながるような業務を割り当てている
- 振り返りや学びにつながるよう、率直なフィードバックをしている
- メンバーが仕事を通じて実現したいことや目指したい姿を"一緒に"考えている
なるほど。単に「仕事を教える」だけじゃなくて、成長やキャリアまで一緒に考えるってことなんだね。
その通り! そして分析の結果、こうしたマネジメントを行っている上司のもとでは、メンバーの離職意思が統計的に有意に低いことがわかったんだ。回帰係数は −0.48 で、上司のマネジメントが確かに効果があると確認されたよ。
"自己成長を重視する人"ほど辞めたい? ちょっとショックかも......
上司のマネジメントが大事っていうのは納得。でも、若手側にも要因があるんじゃないの?
そこがこの研究の一番面白いところ! 研究では、若手社員の「働く目的」を大きく2つに分けて測定しているんだ。
一つは"自己成長"重視。「組織に依存しなくてもいいように自分の力を高めたい」というタイプ。
もう一つは"組織貢献"重視。「組織の中で自分の役割を果たしたい。組織への貢献を通じて成長したい」というタイプ。
一つは"自己成長"重視。「組織に依存しなくてもいいように自分の力を高めたい」というタイプ。
もう一つは"組織貢献"重視。「組織の中で自分の役割を果たしたい。組織への貢献を通じて成長したい」というタイプ。
最近は「自分の市場価値を高めたい!」って言う若手、多いよね。
まさに!それこそが"自己成長"重視タイプの特徴だね。そして分析の結果、"自己成長"を特に重視する人は離職意思が高く、逆に"組織貢献"を重視する人は離職意思が低いという傾向がはっきり出たんだ。
え......自己成長を大事にする人ほど離職を考える傾向があるの? それってなんだか皮肉じゃない?
そう感じるよね。でもよく考えると、「組織に頼らず自分の力をつけたい」という志向が強い人は、今の会社に留まる理由が薄くなりやすいとも言えるんだ。「ここじゃなくても成長できるかも」って思いやすいってことだね。
上司のマネジメントの有効性が確認された
正直ちょっと諦めそうになるんだけど......。自己成長タイプの若手には、上司が何をしても響かないの?
ここが大事なところだよ、A くん! 研究ではさらに"交互作用"を分析しているんだ。つまり、「上司のマネジメント」と「本人の価値観」の掛け合わせでどうなるか、を見ているんだよ。
結果は----自己成長重視の人であっても、上司のマネジメントによって離職意思は下がることがわかったんだ!
結果は----自己成長重視の人であっても、上司のマネジメントによって離職意思は下がることがわかったんだ!
おお、それは朗報!
ただし、自己成長重視"じゃない"人と比べると、マネジメントの効き目はやや弱い。つまり、効果はあるけどちょっと効きにくい、というイメージだね。
だから、"自己成長タイプ"の若手には、より意識的にフォローやフィードバックをする必要があるってことか。
その通り! 「このタイプだから仕方ない」と放っておくのではなく、むしろ意識的に関わることが大切だよ。
会社としての発信も、実は効果あり
上司のマネジメントの話はわかった。でも、上司だけに全部背負わせるのもちょっと酷だよね?
いいところに気づいたね! この研究では"会社レベル"の要因も分析しているんだ。具体的には、「この会社では魅力的な理念やビジョンが打ち出されている」と感じているか、そして「能力やスキルを身につける仕組みや機会がある」と感じているか。
ビジョンと成長機会か!確かにとっても大事そう!
そう。分析の結果、会社としてビジョンを発信し、成長機会を担保していると従業員が認知しているほど、離職意思が低くなるという結果が出たよ。回帰係数は −0.37 で統計的にも有意だった。
へぇ! 会社全体の取り組みもちゃんと個人に届くんだね。
さらに興味深いのは、会社のビジョン・成長機会が高い環境では、上司のマネジメントによる離職意思の軽減効果がより大きくなる傾向が見られたこと。つまり、会社の土台がしっかりしていると、上司のマネジメントがさらに活きるんだ。
上司と会社の"コンビネーション"が大事ってことか!
まとめると、離職を防ぐポイントは3つ
だんだん全体像が見えてきた気がする。改めて、この研究からわかることをまとめてほしいな。
OK! ポイントは大きく3つだよ。
📌 この研究からわかる3つのポイント
- 上司のマネジメントは離職意思の軽減に効果あり 成長につながる業務の割り当て、率直なフィードバック、キャリアを一緒に探索----こうしたマネジメント行動が若手の「辞めたい」を抑える可能性がある。
- "自己成長重視" の若手には、より意識的な関わりが必要 自分の力を高めたいという志向が強い人は離職意思が高まりやすい。でも、上司のマネジメントで軽減できる。ただし、一朝一夕でなんとかなるわけじゃないから、意識的に手厚くフォローすることが大切。
- 会社としてのビジョン発信と成長機会の担保が土台になる 上司だけに頼るのではなく、会社全体で「ここにいれば成長できる」「この会社が目指す未来はワクワクする」と思えるような環境づくりが、上司のマネジメント効果を底上げする。
適性検査って、こういうことにも使えるんだ
......ところで、この研究のデータって SPI3EM を使ってたよね。適性検査って採用のときに使うイメージだったけど、こういう分析にも活かせるんだ。
そうなんだよ! 適性検査は"入社時の選考ツール"というイメージが強いかもしれないけど、従業員の価値観や志向を把握するためにも使えるんだ。たとえば今回の研究では、「自己成長重視か、組織貢献重視か」という価値観を測定しているよね。
メンバーの価値観を知ることで、マネジメントの仕方を変えられるってことか。
そう! 「この人は自己成長を重視するタイプだから、意識的にフォローやフィードバックの頻度を上げよう」といった対応ができる。一人ひとりの志向に合わせたマネジメントを行うことで、離職を未然に防ぐヒントになるかもしれないね。
社員の価値観を知るのが第一歩
なんだか勇気が出てきた! まずは若手メンバーの価値観をちゃんと理解するところから始めてみるよ。
いいね! まずは「この人はどんな働く目的を持っているんだろう?」と関心を持つことが第一歩だよ。そのうえで、上司と一緒に成長につながるフィードバックやキャリアの対話を増やしていく。そして会社としても、ビジョンの発信や成長機会の整備を怠らない。
若手の離職は、"上司 × 本人の価値観 × 会社の環境"という掛け合わせで考えることが大切なんだ。
若手の離職は、"上司 × 本人の価値観 × 会社の環境"という掛け合わせで考えることが大切なんだ。
一つの要因だけで語っちゃダメなんだね。
その通り。もし「若手の価値観をもっと深く知りたい」「現場のマネジメントを支援したい」と思ったら、SPI3EM の活用もぜひ検討してみてね!
若手社員の離職にお悩みの方、まずは自社の若手がどんな価値観を持っているのか、データで把握するところから始めてみませんか?
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