
採用したい人物像のペルソナを作り、採用の精度を高めよう
- 採用のノウハウ
2020年03月16日
採用後のミスマッチを防ぐために、採用したい人材のペルソナを設定し、欲しい人物像を明確にしておくべきです。さらに、採用の精度を高めるために、「SPI3」といった適性検査を併用するメリットを解説します。
採用したい人物像のペルソナを作り、採用の精度を高めよう
採用でまず重要なことは、欲しい人物像を明確にすることです。企業が、どんな人材を求めているのか曖昧なままで募集条件だけ設定してしまうと、採用後にミスマッチが起きてしまう可能性があります。
そこで、ミスマッチを防ぐために、具体的なペルソナを設定することがポイントになります。さらに、ペルソナを設定した上で「SPI3」などの適性検査を併用すると、採用の精度と確実性をさらに高めることができます。
ここでは、ペルソナの作り方と、採用の精度をさらに高めるSPI3を活用するメリットについて解説します。
ペルソナ設定とは何か?
マーケティング領域でよく使われるペルソナは、採用でも利用することができます。ペルソナとは、すなわち架空の人物モデルのことです。採用の場合は、自社が欲しい人材の人物像を詳細に描き出すことで、ペルソナを設定していきます。
採用ペルソナの設定の手順
では次に、採用ペルソナの設定の仕方を、順を追って見ていきましょう。
1. ヒアリングで要件を固める
経営陣や配属予定の部署にヒアリングを行い、欲しい人物像を描きます。
必要な業務スキルや適性のほか、将来的に任せたい仕事なども、見通せる範囲で聞き取っておきましょう。この段階では正確さよりも、情報量重視で構いません。
2. 具体的な人物像を構成する
ヒアリングとは別に、現在活躍しているメンバーの人物像を分析しておきます。
行動特性や性格、価値観などのパーソナルな要素も抽出しておきましょう。中途採用の場合は、経験やスキルなども盛り込んでおくと良いでしょう。
これらの情報をもとに、仮のペルソナを具体化していきます。
3. 細かなずれを調整する
仮のペルソナができたら、経営陣や配属予定先にチェックしてもらい、ずれを調整していきます。
スキルや適性については、MUSTで求めたいのか、WANTなのかという点も明らかにしておきましょう。
必要ならば1~3のプロセスを繰り返し、現実的なペルソナとして仕上げます。面接では、このペルソナに沿った質問をすることで、自社に適した人材を見分けることができます。
採用でペルソナを使う際の注意点
ペルソナを作る際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。ポイントを押さえておけば、実際の選考・面接で、ペルソナをさらに活用できます。
スーパーマンにしない
ペルソナは詳細な設定が必要ですが、それも程度問題です。詳細で具体的なこと自体が悪いことではありませんが、そのような場合によくあるのが現実的には存在しえないようなスーパーマンをペルソナとして設定していたということです。
ペルソナを構成する要素の中にも、必須のものとそうでないものがあるはずです。「こうであれば理想的」「◯◯ならベストだが、△△でもOK」という要素は、優先度によって分けておいたほうがいいでしょう。
常にブラッシュアップする
ペルソナは、「一度作ったら終わり」というものではありません。市場の動向や自社の状況によって、欲しい人材の人物像は変化するはずです。
定期的に設定したペルソナを見直し、ブラッシュアップや修正を加えていくようにしましょう。
適性検査の併用で精度を高める
候補者がペルソナ設定に合致するかどうかは、面接の場で面接者が見極めることになります。この場合、面接者ごとで判断が異なる可能性があり、客観的な精密さを欠いてしまう恐れがあります。
個人の感覚による基準とは別に、客観的なデータを用いて候補者への理解を深めることができれば、採用の精度を高めることができます。
そこで、面接との併用をおすすめしたいのが、候補者を客観的に分析し、データでまとめる適性検査です。
SPI3を活用するメリットとは?
採用に適性検査「SPI3」を加えると、どのようなメリットが生まれるのでしょうか?
ひとつは、前項でふれたように、採用の精度が高まること。もうひとつは、採用における共通言語ができることです。
SPI3の導入で、欲しい人物像の精度を高められる
人の性格や能力は、短時間の面接で完全に理解できるものではありません。また、単に「コミュニケーション能力が高い」といっても、それは友好関係を築く能力なのか、物事に対する落としどころを探る交渉能力なのか、いずれかでまったく意味が異なります。
こうした細かな違いを適性検査によって引き出し、面接者による選考と併用することで、欲しい人物像により近い人材を見極めることができます。つまり、精度の高い採用ができるというわけです。
採用における共通言語ができる
言葉の定義は、人によって基準が異なります。例えば、「元気な人」といっても、何をもって「元気な人」とするかの選考基準は、面接者ごとにバラバラです。
元気を定義するのに、社交的な人をイメージしたり、行動力がある人をイメージしたり、これらをSPIでは定量的に測定することができます。そのため、個人の感覚だけによらない共通の選考基準ができ、人物を客観的に評価できるようになるのです。
ペルソナを用いることに対する懸念について
適性検査とペルソナ設定を併用することで「候補者が一律になってしまうのでは?」という不安を持つ方もいるでしょう。しかし、そうした心配はいりません。
ペルソナを設定し合否判断がブレないための基準を作ります。そこへ、適性検査によるデータを活用し、面接者それぞれの判断軸を加えて、採用の精度を高めます。
ペルソナは、最低限必要な要素を設定するものですし、適性検査のデータも候補者の基本的な資質の部分を分析するためのものです。最終的には面接によって、候補者のことをよく理解し、やりたいことも異なる人材を見つけることで、さまざまな個性を持つ候補者を採用することができるようになります。
多角的な視点で「欲しい人材」を見極めよう
ペルソナ設定は採用において、とても重要な位置を占めています。ペルソナを設定することで、欲しい人材の人物像を、具体的に描き出すことができるのです。
そして、個人の特徴を表すことができるためSPI3といった適性検査は、客観性に優れた評価方法といえます。「ペルソナに合う人物かを見極める材料として適性検査を用いる」というように、SPI3の結果を基に候補者それぞれの特徴を理解することで、理想に近い人材を見極めてください。