お役立ちコラム

採用成功の秘訣、人物像・ペルソナ設定とは?
作り方やポイントを解説

2022年12月22日
  • 採用のノウハウ

採用でまず重要なことは、欲しい人物像を明確にすることです。企業が、どんな人材を求めているのか曖昧なままで募集条件だけ設定してしまうと、採用後にミスマッチが起きてしまう可能性があります。そこで、ミスマッチを防ぐために、具体的な人物像・ペルソナを設定することがポイントになります。さらに、ペルソナを設定し採用広報・募集活動を改善した上で「SPI3」などの適性検査を併用すると、採用の精度と確実性をさらに高めることができます。
本記事では、求める人物像・ペルソナの作り方と、採用の精度をさらに高めるSPI3を活用するメリットについて解説します。

採用において求める人物像を設定する重要性

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採用で求める人物像を設定する重要性として、大きく下記の2つの理由が挙げられます。
 

● 求める人物像を関係者で共有しやすくなり、ミスマッチを防ぐことができる
会社が求める人物像を言語化しておくと、誰が面接を担当しても共通の視点で応募者の適性を見極めることができ、認識のずれや採用後のミスマッチを軽減できます。
 

● 採用活動の効率化につながる
求める人物像が明確になっていると、選考に迷いが生じることがなく、スピーディーな判断が可能です。書類選考、面接後の選考、すべてのプロセスの効率化が期待できます。

 

ペルソナ設定とは何か?


マーケティングでよく使われるペルソナは、採用でも利用することができます。ペルソナとは、すなわち架空の人物モデルのことです。採用においては、主に採用広報で活用されますが、「自社で採用したい人物像」と言い換えることもできるでしょう。

ペルソナを設定する際には、具体的、かつ綿密な設計にもとづいて、実際に存在をイメージできる人物像を形成する必要があります。

 

<ペルソナ設定において設計すべき項目例>
・年齢
・性別
・学歴
・経験や資格
・価値観や人柄
・家族構成
・現職の仕事内容や年収
・ライフスタイル

 

ペルソナとターゲットの違い


ペルソナに似た言葉にターゲットがありますが、ペルソナはターゲットよりも詳細で、パーソナリティを持つ一個人をイメージして設定しています。

● ペルソナ
細かなパーソナリティまで想定した個人像を作る

● ターゲット
年齢、年収ラインなどで採用したい層を絞り込み、ざっくりとした採用イメージを固める

 

採用ペルソナの設定の手順

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では次に、採用ペルソナの設定の仕方を、順を追って見ていきましょう。

 

1 採用の目的を明確にする
まずは、「何のために、どのような人材が必要なのか」といった採用の目的を明確にします。

前任者の退職や産休・育休などによる欠員なのか、新規プロジェクト立ち上げに伴う採用なのかなど、採用を行う目的によって、必要な要素が変わってくるからです。

また、同じ欠員補充でも、前任者に近しいタイプの人が良いのか、一から業務を教えてスキルアップさせていくのかによってもペルソナは変わってきます。「なぜ採用するのか」「どのような人材が必要なのか」を踏まえて、具体的な適性や能力をイメージすることが大切です。

 

2 ヒアリングで要件を固める
経営陣や配属予定の部署にヒアリングを行い、欲しい人物像を描きます。

必要な業務スキルや適性のほか、将来的に任せたい仕事なども、見通せる範囲で聞き取っておきましょう。この段階では正確さよりも、情報量重視で構いません。

 

3 具体的な人物像を構成する
ヒアリングとは別に、現在活躍しているメンバーの人物像を分析しておきます。

価値観や人柄、それぞれの持ち味といったパーソナリティも抽出します。中途採用の場合は、経験やスキルなども盛り込んでおくと良いでしょう。

これらの情報をもとに、仮のペルソナを設定し、そこから想像できるストーリーを作って具体化します。

例えば、次のように、より実在の人物に近くなるように要素を肉づけします。

・抽出した条件
「営業」「法人営業経験者」「ベンチャー気質がある」「将来的にマネジメント領域を任せられる」

・ペルソナのストーリー
「法人向けの営業経験が3年以上あるリーダークラスの既婚男性。裁量権が小さいことや、商品ありきの営業であることに不満を感じ、よりチャレンジングで顧客志向の営業ができる企業への転職を希望している」

 

4 細かなずれを調整する
仮のペルソナができたら、経営陣や配属予定先にチェックしてもらい、ずれを調整していきます。スキルや適性については、MUSTで求めたいのか、WANTなのかという点も明らかにしておきましょう。

 

5 現状の就職・転職市場に合わせて要件を絞り込む 
設定したペルソナと、現在の就職・転職市場の状況を比較します。ペルソナに含めた資格が超難関で取得者が少なかったり、求める経験年数を満たす人が限定的だったりすると、そもそも母集団を形成することができません。十分な応募が見込めないようなら、対象を狭めている要件を外すなどして、新卒者や転職希望者の動向に合うように要件を絞り込みます。

自社が求める人物像だけを盛り込むのではなく、市場の状況を見極めて設定することで、より納得のいく採用につなげることができます。

 

6 設計したペルソナをブラッシュアップする
設計したペルソナに沿って募集・選考を行っても、想定どおりの人材を採用できない場合もあります。その場合は、ペルソナを設計した時点から市場の状況が変化していないか、ペルソナに無理がないか、もう一度ペルソナを見直します。

また、同じ営業の募集でも、年度によって求める人物像や必要な要件は変わってきます。新たに採用を行うたびに、社内の人材の充足度や市場の様子をチェックし、設定基準をブラッシュアップしていくことが大切です。

必要ならば16のプロセスを繰り返し、現実的なペルソナとして仕上げます。面接では、このペルソナに沿った質問をすることで、自社に適した人材を見分けることができます。


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ペルソナの具体的な設定例

続いては、採用においてどのような設定項目を用意すべきか、一例をご紹介します。採用ターゲットは、「20代後半から30代前半、経理経験のある人」とします。

 

<ペルソナ設定例>

氏名:◯◯◯◯◯◯

年齢:32歳

家族構成:夫(35歳)、長女(5歳)

経歴:新卒で入社した企業で4年経理として勤めた後、夫の転職に伴う引越しのため退職。現在、パートで経理事務をしているが、長女が小学校に上がるタイミングで正社員としての就業を希望している。

パーソナリティ:経理の仕事が好きで、正社員としてキャリアップをしていきたいと思っている。夫が忙しく育児との両立が困難でパート勤務をしていたが、そろそろ自分のキャリアを考えたい。

性格:几帳面で細やか。真面目。自分のスキルに自信をもっている。協調性はあり、チームのために尽力できる。

キャリア志向:管理職へのステップアップを希望。

 

採用でペルソナを使う際の注意点

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ペルソナを作る際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。ポイントを押さえておけば、実際の選考・面接で、ペルソナをさらに活用できます。

 

● スーパーマンにしない
ペルソナは詳細な設定が必要ですが、それも程度問題です。詳細で具体的なこと自体が悪いことではありませんが、そのような場合によくあるのが現実的には存在しえないようなスーパーマンをペルソナとして設定していたということです。

ペルソナを構成する要素の中にも、必須のものとそうでないものがあるはずです。「こうであれば理想的」「◯◯ならベストだが、△△でもOK」という要素は、優先度によって分けておいたほうがいいでしょう。

 

● 常にブラッシュアップする
ペルソナは、「一度作ったら終わり」というものではありません。市場の動向や自社の状況によって、欲しい人材の人物像は変化するはずです。

定期的に設定したペルソナを見直し、ブラッシュアップや修正を加えていくようにしましょう。

 

● 選考で確認する、求める人物像の要件を準備しておく
求める人物像を設定すると、面接で評価すべき点や評価の基準が明確になり、面接者ごとの評価のブレが少なくなります。面接の際に見ておきたいポイントをすぐに確認できるよう、求める人物像を細分化したものを人材要件に分け、チェック項目として用意しておきましょう。

チェック項目を追いながら質問を進めることで、聞くべき項目のヒアリング漏れが起きにくくなります。そうすれば、面接者が変わっても同じ条件で候補者を見極め、比較することが可能になります。

 

● 適性検査の併用で精度を高める
候補者が求める人物像に合致するかどうかは、準備したチェック項目を活用しながら、面接の場で面接者が見極めることになります。この場合、面接者ごとで判断が異なる可能性があり、客観的な精密さを欠いてしまう恐れがあります。個人の感覚による基準とは別に、客観的なデータを用いて候補者への理解を深めることができれば、採用の精度を高めることができるでしょう。

そこで、面接との併用をおすすめしたいのが、候補者を客観的に分析し、データでまとめる適性検査です。面接の際に用意するチェック項目のうち、人柄といったパーソナリティについては、SPIによるデータを活用することで、より詳細に求める人物像・人材要件との適合性を見極めることが可能です。また、在籍社員のうち、採用したい人材に近い要素を持った人や、ハイパフォーマーに適性検査を受検してもらい、共通する特性を抜き出して評価基準に反映することで、より求める人物像に近い人材を採用できる可能性が高まります。

 

求める人物像の設計にSPI3を活用するメリット

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採用に適性検査「SPI3」を加えると、どのようなメリットが生まれるのでしょうか?

ひとつは、前項でふれたように、採用の精度が高まること。もうひとつは、採用における共通言語ができることです。

 

● SPI3の導入で、求める人物像の精度を高められる
人の性格や能力は、短時間の面接で完全に理解できるものではありません。また、単に「コミュニケーション能力が高い」といっても、それは友好関係を築く能力なのか、物事に対する落としどころを探る交渉能力なのか、いずれかでまったく意味が異なります。

こうした細かな違いを適性検査によって引き出し、面接者による選考と併用することで、欲しい人物像により近い人材を見極めることができます。つまり、精度の高い採用ができるというわけです。

● 採用における共通言語ができる
言葉の定義は、人によって基準が異なります。例えば、「元気な人」といっても、何をもって「元気な人」とするかの選考基準は、面接者ごとにバラバラです。

元気を定義するのに、社交的な人をイメージしたり、行動力がある人をイメージしたりしますが、これらをSPIでは定量的に測定することができます。そのため、個人の感覚だけによらない共通の選考基準ができ、人物を客観的に評価できるようになるのです。

 

求める人物像・人材要件を設計することに対する懸念について

求める人物像・人材要件を設計し、適性検査を活用することで「候補者が一律になってしまうのでは?」という不安を持つ方もいるでしょう。しかし、そうした心配はいりません。

求める人物像・人材要件を設計し、合否判断がぶれないための基準を作ります。そこへ、適性検査によるデータを活用し、面接者それぞれの判断軸を加えて、採用の精度を高めます。

人材要件は最低限必要な要素を設定するものですし、適性検査の結果も候補者の基本的な資質の部分を明らかにするためのものです。最終的には面接によって、候補者のことをよく理解し、やりたいことが異なる人材を見つけることで、さまざまな個性を持った候補者を採用することができるようになります。

 

多角的な視点で「欲しい人材」を見極めよう

 

求める人物像・ペルソナ設定は採用において、とても重要な位置を占めています。求める人物像を設計することで、欲しい人材の人物像を、具体的に描き出すことができるのです。

そして、SPI3をはじめとする適性検査は、個人の特性や持ち味を表すことができ、客観性を持ったツールです。「活躍者のデータから求める人物像やペルソナを設計する」「人材要件に合う人物かを見極める材料として適性検査を用いる」というように、SPI3の結果をもとに候補者それぞれの特徴を理解することで、理想に近い人材を見極めてください。


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