導入事例

はじめての新卒採用に頼れる「武器」を。SPIで学生のほんとうの姿が引き出せました。

黒崎産業株式会社
大卒採用
目的・課題

はじめての新卒採用を行うにあたって、何もわからない中では不安。頼れるツールが欲しかった。

SPI3の
活用方法

全社員に実施して部署ごとに分析し、求める人材を明らかにしました。また応募者にも受けてもらい、面接時の掘り下げ質問のよりどころとして使っています。

効果

履歴書では見えない学生のほんとうの姿が見えてきました。SPI全社員実施により採用に対する関心が高まり、全員で採用に向き合うことができています。

―黒崎産業様は、昨年はじめて新卒採用を実施されたんですよね。

ええ。いい人と出会えれば、ご縁があれば採用したいと思っておりまして、一昨年までは地元の中小企業が集まる企業展や、県が企画する企業説明会などに参加していました。というのも当社は既存社員の定着率がとても高く、当時、中途採用だけでも十分間に合っていたんです。
けれど近年、新しく事業を始めることになり、これを機に基幹産業の強化も図っていきたいという話になりました。そのために新卒を毎年少しずつでも採りたい、と。でも、新卒採用を本格的に行うのは初めてですから、右も左もわからず困ってしまって。社内に経験者はいませんし、人事も私ひとりでした。何から手をつけたらいいのかわからない。そこで、一緒に黒崎産業の採用を作ってくれるような、採用ノウハウを持ったパートナーを見つけたいと思いました。社長には「わたしに武器をください」と言って予算を付けてもらいました。複数社検討しましたが、商品の知名度と担当者の方が真剣に寄り添ってくださるのを見て、リクルートさんを選びました。

―SPIを使って新卒採用に向けての準備を進められた、とのことですが。

新卒採用を行うにあたって、まずどんな人を採用したいのかを明らかにする必要があると思いました。でも、既存社員は新卒採用に不慣れなものですから、何から考え始めればいいのかわからない。「新卒を採用する」ということに対してイメージが湧きにくく、そんな中でいきなり「欲しい人材を考えろ」と言われても難しいだろうなというのもわかっていました。
そこで思いついたのが、SPIで自己分析してみたらいいのではないか、ということです。自分や自分の身近な人の報告結果なら興味を持って見れますし、その結果をフックにして「○○さんと同じような雰囲気の人が欲しい」「ここの部署にはいないタイプの人が欲しい」といった具体的な意見が出しやすくなると思いました。それで、全社員にSPIを受けてもらったというわけです。結果を見てもよく読み取れないと意見を出しにくいと思ったので、無料のSPI活用セミナーの内容や分析ツールを使って、事前に社内でSPIの勉強会も行いました。

―まずは実際にSPIを受けてもらおう、というわけですね。結果はいかがでしたか。

結論から言いますと、狙いどおりでした。自分たちのSPI結果をみんなで見てみたのですが、すごく面白かったようで。「当たってる!」という声があがりました。自分の結果だと「この傾向はたしかに当てはまるな」と腑に落ちたようでした。部署ごとで分析してみると、これがまた個性があって、似たような特徴の人が集まっていたり、またばらばらだったりとさまざまです。その結果を見ながら、欲しい人材がどんな人なのかを明らかにしていきました。こんなふうに、SPIは社員に新卒採用に対する関心を持ってもらうためのツールとしても役立ちましたね。
人事は採用の窓口になるわけですが、新人を育てる畑にはなれません。こうやって、新人に関心を持って育てていこうという環境を作るのも人事の仕事だと思っています。

―今はどのようにSPIをお使いいただいていますか?

選考と入社後のフォロー、両方に使っています。ひとつは選考ですが、いまは説明会に来ていただいた方、全員に受けてもらっています。そのあと、SPIの結果を見ながら面接をします。SPIの結果で採否を決めるというわけではなくて、面接のときの参考に使っているという感じですね。

もうひとつは入社後のフォローです。上司に共有したり、本人にフィードバックしたりしています。上司がSPIの結果を見て「この子は根本的にこんな特徴を持っているから、大事なことを伝えるときはこういう言い方にしてみようかな」と考えるのに使っているようです。

―SPIを使ってみて、学生さんたちの反応はどうでしょうか?よく「SPIを使うと学生が応募自体を嫌がるのではないか」という声をお客様からいただいていて。

学生さんたちにとって、SPIを受検することそれ自体は自然なことで、SPIを入れたからといって応募が減るわけではないと思います。ただ、その結果が「どのように」使われるのかを彼らはとても気にしています。なので説明会の際にはSPIでは合否を出さないというメッセージを意識して発信するようにしています。「私たちがあなたを知るために受けてもらうものなので正直な気持ちで受けてほしい。能力のテストはあるけれど、そこで合否出しをすることはない。必ず面接をします」とはっきりと伝えています。これは社員の協力あってのことですが、面接担当者には学生と話す時間をしっかり取ってもらい、会社全体で学生さんに向き合う姿勢を見せるようにしています。

―SPIを使っていて「いいな」と思うところはどこでしょうか?

2つ、導入してよかったなと思うことがあります。ひとつめは「履歴書にはない観点をSPIが教えてくれること」。どうしても、履歴書だけに頼った選考だと偏見が入ると思うんです。学歴が高いと無条件に優秀だと思い込んで、そういう目で見てしまうことがありますよね。でも、有名大学を出ていなくても、受け答えがしっかりしていて前向きで誠実な人が多くいます。たとえ、いま苦手なことがあったとしても、本人のこれからの努力でいくらでも変えていけると思います。SPIを使うことで履歴書だけでは取りこぼしてしまうような応募者のよいところに気付かせてくれるところがいいなと思います。

もうひとつは、「面接前に心の準備ができること」。人事は会社説明会で応募者と既に一度会っていますが、面接を担当する社員は初対面です。どんな人が来るのか全くわからない状態だと不安ですが、SPIがあることで、結果を起点にどんな質問をしようかと事前に考えることができます。質問例やサポート資料などが充実しているところもいいですね。

―SPIの効果を実感したエピソードなどはありますか?

SPIを見ながら面接することで、その人の本当の姿が見えたというのがありましたね。事前にSPIを見ていた印象だと、少し保守的で、プレッシャーに弱いけど優しい人だろうなという人がいました。会社見学会にも来てくれたんですが、そのときの印象も同じで大人しそうな方だなと思っていました。

その方と面接することになり実際に話してみたら、はきはきとしっかり喋っていたんです。あまりに思っていたイメージと違ったもので驚いてしまって。「チームで何かに取り組むときも自分が前に出て発表するタイプです」と言うんです。改めてSPIを見ても、縁の下の力持ちで、人をサポートするのが得意だと出ており、自分から引っ張るタイプではありませんでした。目の前の本人とSPIの結果に差があると思ったので、SPIの結果をもとにさらに「自分から率先して前に出ることを意識していますか?」と聞いてみたところ、「周りから頼られるんです」との答え。もしかして頼られたら断りにくいタイプなのかなと思い、さらに聞いてみると、「周りから頼られて人のために何かをするのは好きだけど、自分から進んで動くタイプではない」という話が出てきたんです。ようやくSPIと目の前の応募者がつながり、正しく応募者の強みを知れたと感じました。面接の際に感じた違和感は間違いじゃなかったと思いましたし、これはSPIを実施していたからこそわかったことですよね。もしSPIを使っていなかったら、面接での印象に違和感があったとしても「どうして違うのだろう?」と疑問を持ったり、本質をつかむまで掘り下げることもなかったかもしれません。そういう意味で、SPIがあると安心だと思っています。もちろん100%の精度は求められませんが、その人の根の部分を見つけることができるところはいいなと思います。

―入社後にもSPIをお使いいただいていますよね。いま、どんなふうに使っていらっしゃるのでしょうか。

実は、採用実施初年度からメンター制度を導入していて、ここでもSPIを活用しています。これまで、新人をサポートするための正式な制度はなかったのですが、新卒採用を始めるにあたり教育制度を整えたいと思って新設しました。私も2名の新人を見ています。ひとりの新人が、自分のできないところばかりに目を向けていたので、面談でSPIを一緒に見ながら「あなたはこういう特徴があるから、こういう悩みを持つのは自然なことだよ。でもこういう強みもあるよね。今の仕事でこの強みは生きるよ。できるところをしっかり伸ばしていこうね」という話をしました。すると新人も納得してくれて、フィードバックがあってよかったと言ってくれました。

生まれ持った考え方や個性は変えられないし、変わる必要もないのだと思います。あれもこれもできるようにならなくちゃと思わなくていいんです。ただ、会社が期待するものに応えていくためには、自分にも足りない部分があると知ることが大切です。だから、あなたの持っているいいところはここだよと伝えるのと共に、いま持っている素質に加えて、こういう考え方や経験を積まないといけないよね、と新人とは会話するようにしています。

―最後に、採用への想いをお聞かせ願えませんか?

採用って採用するまでじゃなくて、採用した後にちゃんと定着して働いていけることが大事だと思います。私たちが決める合否で、応募者の方のその先の人生が変わる。だから企業は努力し続けないといけないと思います。結局は入社しないと自分に合っているかどうかなんてわかりません。これから40年の仕事人生を預けようと思って就職活動している、その学生さんたちの気持ちに応えたいと思っています。どれだけの誠意をもって、みんなが気持ちよく働ける会社を作っていけるか、それを日々問い直しています。

 管理部 人事課 課長 吉岡 真由子 様

黒崎産業株式会社

従業員数:
50名(2019年8月時点)
業種:
商社 
課題:
  • 人材要件設計
  • 面接
  • 配属
  • 採用振り返り

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