導入事例

事業成長を支える人材を採用するために、自社へのカルチャーフィットを見極めるツールとして活用

ナイル株式会社
中途採用
目的・課題

面接官の「良さそうだ」という感覚のもと、採用判断が属人的になっていた

採用拡大する一方で、早期離職が目立っていた

SPI3の
活用方法

SPI3から分かる特徴と面接で見られる特徴を合わせて、応募者を深く理解する

採用決定後、現場受け入れの際の申し送りに活用

効果

感覚的な合否判断による採用から、「自社に合うかどうか」の根拠がある採用に進化した

採用内定者の採用理由と受け入れ時のポイントが現場に伝わるようになった

―中途採用でSPI3を導入された経緯について、教えていただけますか?

 ナイル株式会社は事業拡大に向けて積極的な採用を行っています。SPI3導入時は私は着任していなかったのですが、事業成長期の中でより人材採用の見極めを強化したかった、という理由だったのではないかと理解しています。

 私は2019年の1月に人事に異動し責任者として着任したのですが、当時は採用選考における評価の方針が明確に定まり切っておらず、「良さそうだ」という感覚的・属人的評価をもとに採用が決定されることもありました。ナイルの中で「事業を生み出し、成長させられる人」を採用するためには、各現場最適で、感覚的・属人的な採用をしていてはいけない、と危機感を感じ、まずは面接そのものの設計や、採用所感をしっかり残すといった基本的なところから整備を始めました。SPI3をどのように使うか、どの項目に注目するか、などはそのあとから着手していきました。

―まずは面接の改善に着手されたのですね。その時点でSPI3にどのような期待を持たれていたのでしょうか?

 面接全般の整備をしていて気がついたのは、採用したい人材について現場と経営・人事の間で齟齬があるということでした。現場では、その職務で活躍できそうかどうかの「スキル」の視点で見ている一方、経営としては、会社にフィットしそうかどうかの「カルチャー」の視点をより重視していました。根本的な問題として、どんな人を採用したい、どんな人が活躍する、という根拠がなく、「活躍できそう」「フィットしそう」という点をそれぞれの立場から感覚で判断している状態だったのです。

 SPI3の良い点は、結果の納得感です。実際その人に対して思い当たる節がたくさん出てくる。入社者の特徴を分析してみたところ、いくつかの項目で有意な差があることも分かりました。結果に対する信頼が置けたので、個人を深く理解する裏付けの1つとして、合否を検討する際には手元に置いて頼りにするようにしました。

―SPI3は面接場面でどのように活用いただいていますか?

 必ずしもSPI3の結果をもとに面接の合否を判断するわけではありませんが、「指針」にしています。面接で見えている側面以外に、SPI3上でどのような特徴が見られるのかを確認するということです。実際に一緒に仕事をしてみると、肌感覚的に6~7割以上の人は、SPI3の結果がそのままあてはまっている、と感じます。

 面接の場では、面接者にSPI3の報告書を配ります。SPI3の結果と一次面接評価や所感内容にギャップがある場合は、そのギャップは何か?を二次面接で見るようにしています。面接を通じて段々と、応募者の情報や仮説を集めて組み立てていくような感じです。

 面接の合否を決める際には、SPI3の結果と、各面接者の所感、他のワークサンプルテストなどの結果を並べて、すべて見てすり合わせたうえで決めるという形にしています。

 従来に比べると合否の判断に時間を要しますが、採用した人が離職してしまったり、活躍できなかったりして目下の事業拡大に歯止めがかかる危機感を考えると、入り口でしっかり見ていくことが重要であると考えています。この重要性を理解し、今では役員・事業責任者・人事ほか面接関係者一体となって取り組んでいると思います。

―SPI3が関係者全員の共通の指針になっているのですね。面接以外の場面では、どのように活用されているのでしょうか?

 面接の合否を決める場面だけでなく、採用決定後に現場の受け入れにあたって申し送りする場面でも使います。第一印象と本来の性質は異なることもありますからね。例えば、第一印象は明るく元気な印象であっても繊細な一面を持ち合わせていたり、控えめでおとなしい印象の人であっても意志は強かったり。

 SPI3の結果は、採用活動で得られた情報の1つですから、受け入れ側に伝えないともったいない。採用理由や受け入れにあたっての注意点を共有することで、ミスマッチや早期離職の悲劇を少しでも防ぎたいと考えています。今はSPI3そのものを受け入れ先に配ることはしていませんが、今後はより広く社員にSPI3の見方を共有していき、育成場面での使い方も深めていきたいと思っています。

―入社後の育成場面ではどのようにSPI3を活用いただいているのでしょうか?

 フォロー・マネジメントについてのヒントが欲しいと感じるときに、適宜参照するようにしています。現場の上司から人事に何か相談があったり、本人からも相談があったりした際に、SPI3を見返すようにしています。上司・本人の間ですれ違っている理由の仮説が立てられたり、どのように関わるとよさそうかのヒントが得られたりと、フォロー方針のすり合わせに使っています。

 実は、私が異動する前には、会社全体として人事機能を取り仕切る部門がなかったのです。面接の設計見直しもそうですが、育成体制についてもまずは整備して、2020年にはだいぶ整ってきたという状況です。2021年にはHRBP(HRビジネスパートナー。ナイル株式会社では人事部から各事業部に出向して各事業の組織パフォーマンスの向上に取り組む)の制度を導入しました。このように、人材育成を仕組み化しつつあるので、改組や異動配置の検討などにもSPI3のデータも組み込んでいきたいと考えています。

―最後に、SPI3の導入を検討されている方にメッセージをいただけますか?

「自社に合う人かどうかをしっかり見極めたい、その人を理解する精度を高めたい」と考えるのであれば、むやみに面接の回数や時間を増やすのではなく、SPI3を導入した方がいいと思います。なぜなら、面接は人の目で応募者を理解するものですが、SPI3はアセスメントツールであり、応募者を別の観点から見る・知ることができるツールだからです。SPI3の情報を仮説として使いながら、面接の印象とのギャップを確認・すり合わせていくプロセスに価値を感じています。SPI3は、応募者を深く理解する、「立体的」に捉えることに役立つツールだと思います。

―お話お聞かせいただき、ありがとうございました
取締役 人事本部長 土居 健太郎 様 

ナイル株式会社

従業員数:
216名 ※2021年6月末日現在
業種:
専門コンサルタント 
課題:
  • 面接

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