SPI3を導入して3年目。
見えてきた入庁者の変化と今後の展望。

大卒 中途

目的・課題

・青森県黒石市は財政難による採用縮小期を経て、2012年ごろから新卒採用を再開し、
 「新しい黒石市を創るクリエイティブな人材」を採用しようと試みたが、
 採用母集団の不足、特に専門職の採用難が顕在化
・当時の副市長より、「学生はどんどん減っていく。優秀な人材を採用するためには、
 公務員志望者だけでなく、民間企業志望者にも振り向いてもらえるよう、
 幅広く応募してもらう必要があるのでは?」という問題意識を投げかけられたのが
 採用活動を見直すきっかけとなった

SPI3の活用方法

・一次試験でSPI3を実施。応募書類と検査結果を勘案し、合否判定を行う
・二次試験では、人事面接にてSPI3の面接官向け報告書を活用し、面接を行う
・三次試験では、面接資料の1つとしてSPIを位置づけ、人物理解に活用
 市長・副市長もSPI3を確認
・内定フォローでは、SPI3の本人向け報告書と無料のワークショップツールを使い、
 研修を実施
・入庁後は、配属先の上司へSPI3の上司向け報告書を配布し、部下の人物理解に活用

効果

・行政職、専門職ともに応募者が増加した

・内定者、入庁者の質が向上した

・不慣れな面接官でもスムーズに面接を行えるようになった

青森県黒石市は2019年度採用試験から大幅に採用を見直されましたが、その背景を教えてください。

 青森県黒石市は、1999年から2011年ごろまで財政難による採用縮小を行っておりました。その後、さまざまな取り組みの成果から財政が回復しましたが、いざ採用を再開すると、なかなか母集団が集まらないという状況に陥りました。新しい黒石市を創っていくクリエイティブな人材を求めましたが、専門職を中心に全く申し込みがなかったり、少ない申し込み者のなかから選考しなければならなかったりと苦しい状況にありました。
 そういった状況のなか、当時の副市長より「学生はどんどん減っていく。優秀な人材を採用するためには、公務員志望者だけでなく、民間企業を志望している学生にも振り向いてもらえるよう、幅広く応募してもらう必要があるのでは?」という問題意識を投げかけられたのがきっかけで採用の見直しをしました。当時の課題としては「年々減少する母集団の再構築」「学生の就職活動スケジュールと合わせた採用活動」「幅広い層の人材を集める必要性」の3点を挙げ、「学生が、より応募しやすい環境づくり」を実現することを目指しました。

具体的な取り組み内容を教えてください。

 まずは採用母集団形成にあたって、新卒採用メディア媒体を利用することにしました。そしてSPI3は応募後に実施することにしました。
 導入当初は、一次試験では能力検査・性格検査の両方を実施し、合否判定では能力検査の結果と応募書類を勘案していました。しかしその後、内定者や入庁者に共通する性格の特徴が見えてきたため、現在は、能力検査・性格検査の両結果の内容と、応募書類を勘案して合否を出しています。二次試験、三次試験は面接ですが、両面接でもSPI3を利用します。特に面接官向け報告書の質問例は使いやすく、経験の浅い面接官でもスムーズに面接を行うことができるようになりました。

新しい採用試験で入庁した方々が、今年3年目となりました。それ以前と比べて変化はありますか?

 入庁者が劇的に変化したとはいえないですが、「良い人材が入ってくれたね」という声を現場からもらうようになりました。また以前は入庁1年目で退職する人がいましたが、SPI3導入後は早期の退職者は発生していない状況です。
 そして従来は保健師などの専門職は国家試験と公務員試験の両立のハードルが高く、なかなか採用できなかったのですが、現在は多くの方から応募いただき、良い人材を採用できるようになりました。保健師については、入庁者が増えたことにより、保健師が関わるさまざまな事業に対応できるようになり、配置先についても必要となる部署への配置が可能となりました。他の専門職種でも同様の取り組みをしていきたいです。
 ただ、まだSPI3を導入して3年目。初年度からSPI3データを使った分析をしていますが、導入後3年、5年と経つなかで、振り返りを継続し、成果と今後の課題を確認していきたいと思います。

SPI3について、期待以上だったこと、期待に沿わなかったことがあれば教えてください。

 SPI3を導入して、当初の目的だった母集団形成や質の高い人材に入庁していただくというねらいは、今後の改善点はありますが、一定程度達成されたと考えています。
 期待以上だったのは、SPI3の分析機能。応募者や合格者の特徴を経年で比較してみたり、合格者と不合格者の差異を確認したり、と採用活動を質の面で振り返ることができていること。非常に役立っています。毎年このレポートを見るのが楽しみになっています。
 黒石市ではSPI3導入前に、一部の職員にSPI3を受検してもらいました。その結果と見比べながら、その年の採用活動がどうだったのかを振り返ることもでき、今後の課題などを検討しているところです。まだ理想的な状態とはいえないですが、今後もデータを蓄積し、分析を継続したいと思います。
 想定外だったのは、良い人材が多数集まるため、他自治体や民間企業と内定者を取り合う状態になること。この点については、「公務員の魅力」を伝えることや、面接時間内でのコミュニケーションも工夫していき、良い人材に黒石市を選んでもらえるようにしたいと思います。またSPI3を応募者や合格者の意欲を高める使い方もできると聞いているので、そういった取り組みも検討したいです。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

 今後の展望としては、面接官のスキルを向上させていき、見極めのバージョンアップをしていきたいと考えています。優秀な人材が集まる分、市役所に合う人材を見極めることが必要だと感じています。
 同時に、民間企業と比較された時にどのようにして公務員を選択肢に入れていただくのかも考える必要があると思います。この点については、大学を訪問して、公務員の魅力を伝えていきたいと考えています。例えば、専門職への応募資格を満たす学部のある大学と特に接点を持ち、土木系などの不足感のある職種に注力して、良い人材を採用していきたいです。

青森県黒石市

  • 従業員数294名(令和3年4月時点)
  • 採用数1~5名
  • 業 種官公庁
  • 採用概要募集職種:一般事務 他
    SPI3ご利用歴:約3年
黒石市 総務部総務課
藤本 洋平 様

工藤 孝光 様