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コラム-定着 / 配属 / 育成

2010年03月シリーズ『人事のチカラ』vol.1~新卒採用編~採用活動は人材獲得のみにあらず
インフローソリューション事業部 マーケティング営業部長 國本 浩市

「人事のチカラを信じ、人事のチカラを支援する」ことをコンセプトにした連載企画です。
今月は新卒採用をテーマにお伝えしています。
採用活動は人材獲得のみにあらず

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
インフローソリューション事業部 マーケティング営業部長
國本 浩市

写真:國本 浩市

2011年度の新卒採用活動が佳境に入ろうとしています。今年は例年以上に経済環境の先行きが見えにくいこともあり、各企業では試行錯誤の連続の中での採用活動を強いられています。特に新卒採用は、学生からのエントリー数殺到で活動の見通しを立てづらいことに加え、不況のあおりを受けて採用担当者自身も業務効率化を求められており、「今までと同じやり方ではとても対応できない」という悩みをお持ちのようです。

私自身は、リクルートと弊社で併せて20年以上、採用業務に関わってきましたが、むしろ「このような時代だからこそ、採用の仕事を捉えなおすには絶好の機会」と考えられないか、と思っています。よって今回は、私自身の採用業務経験から新卒採用における『人事のチカラ』をお伝えしたいと思います。

「生きている」採用要件とは。

新卒採用のご担当者や、新入社員の受け入れを担当している人事の方とのお話の中でよく話題にのぼるのが、「最近、学生が変わってきた」ということです。例えば、「入社してみたら想像していたのとは違う」と思うと、周囲への相談もそこそこにあっさりと会社を辞めてしまう、無駄なく仕事を進めたいからと「分かっている方法を先に教えてほしい!」と開き直る......。多くの企業で、最近の「ゆとり世代」と称される若手に顕著に見られる特徴です。

一方で企業を取り巻く環境は、低成長経済・グローバル競争の波を受け、より複雑で厳しい仕事環境へと変化しました。仕事は高度化し失敗も許されないようになり、新人を受け入れる環境はいっそう厳しくなっています。

こうした背景の中にあって、企業側では「失敗はできない、なんとかして選考場面で良い人材を見抜きたい」と、採用時の基準を上げたり、採用要件を増やしたりといった策をとります。しかし、できあがった要件を見てみると、「主体性」「実行力」「コミュニケーション力」など、多くの企業で似通った言葉が並びます。欲しいと思う人材はどこも同じ、しかし誰もが欲しがる人材を各社がそろって獲得できるかといえば、それは不可能に近いでしょう。 だからこそ、多くの企業で類似しがちな採用要件を、生きた「自社だけのもの」にすることが大切です。そのときのポイントを2点ご紹介したいと思います。

言葉のもつ便利さと不自由さ。

まず1つ目のポイントは、選考時の採用要件を設定する時の視界です。
皆さんは、採用要件を、どのように設定していますか?実は、設定する際に是非確認して欲しい情報があります。それは、新人や若手が配属される組織の「育成力」の実態です。上司・先輩・同僚の様子、組織の実情を捉えた上で、どのように育ち、育てられていくのか。そこでの成長可能性をイメージしながら採用要件を絞ることが望ましいと思います。新人を取り巻く環境が大きく変わった今の時代、「入社式後は配属先や育成担当にバトンタッチ」の感覚では、よい採用は実現できないでしょう。

また採用要件とは、使い勝手良く、端的に表現されることで、往々にしてその企業ならではの特徴を隠してしまう限界もあわせ持っています。しかし、それでは採用場面で「生きた」採用要件とはなりません。

例えば「主体性」という要件を例にとっても、その言葉だけだと面接者は評価をすることができません。しかし、A社における「主体性」とB社における「主体性」とは、意味するところが全く異なっているはずです。それぞれの業態や業務、顧客、企業の歴史や大切にしている価値観・文化・風土、そして今後の企業の方向性などが異なっているからです。「同じ『主体性』でも他社とはここが違う」「うちでいう『主体性』とはこういうことだ」と、面接者が理解して初めて、まさに「生きた」採用要件となります。

そこで2つ目のポイントとなるのが、言語化によって隠れてしまった自社の「こういうこと」というイメージを、面接者と共有することです。では、どのように共有するのが良いのか。
弊社の例でたとえると、採用要件の中に「自律性」「主体性」という要件があります。実は、面接を担当する弊社のマネジャーたちは、この要件から、ある日常の職場での場面を想起します。
それは、メンバーから「この件、どうしたらいいでしょう?」と質問された場面です。一般的には、そのような質問に対しては「こうしたらいい」「こうしなさい」と指導するでしょう。しかし、弊社のマネジャーはほとんどの場合、そのメンバーに対して「自分はどう思う?」「どうしたいの?」と反問するのです。それを初めて体験した社員は、本当にびっくりするといいます。
しかし、そこには大切な意味があります。
それは、物事には自分の「思い」を持って取り組み、その思いを言葉にできるように昇華(自分の考えを次の段階へ一段と高めること)して欲しいということ。それが、弊社にとってとても大切にされている価値観であり、そして、弊社の採用要件「自律性」「主体性」という言葉の意味することなのです。

このように1つ1つの採用要件について、このような日常の現場で起こる場面を共有することで、採用要件が現場のイメージと強く結びつき実感を伴ったものになります。
そして、意図的にそのような結びつけを行うための場づくりをすることで、ようやく要件が「生きた」基準となっていきます。例えば多くの企業で実施されている面接者向けの説明会などが、その良い場になると思います。

さらに、採用要件の設定とその浸透は、けして適材を採るための単なる手続きではありません。面接者にとっては、まさにこれまでを振り返り自分自身と向き合うことでもあり、組織や仕事に対する考え方を問われることにもなります。この手続きの中にこそ、内部の社員のモチベーションを高め、組織が一つのベクトルに向かっていくためのきっかけがあるといえるでしょう。まさに組織活性化への一歩になるのではないでしょうか。

目に見えない大切なものを見ようとする努力。

採用担当としての20年以上のキャリアの中で、これまでに数え切れないほどの学生に会ってきましたが、そのことで人を見る目が養われたかというと、その実感はありません。「人を見る」ということは本当に難しいと痛感しています。それは一体なぜでしょうか。

私たちは、どうしても相手の第一印象に引きずられ、聴いた話を早め早めに判断して頭の中を整理してしまいがちです。
面接の場面はその癖が顕著に出やすいと思います。「評価するぞ!」と思って臨むからです。でも、それは非常に危険です。評価することは確かに面接者の大きな役割ですが、その評価がどんな情報によってなされたかが肝心だからです。応募者である学生は準備をして臨み、使える時間は20~30分と限られ、日常会話の延長ではとても学生の日常には迫れません。
そして日常に迫れないということは、その人のコア(核となるもの)は確認できないということを意味します。

ここでいうコアとは、苦しい時や踏ん張り時にはじめて見えてくるもののことです。そして、このコアこそが企業として最も知りたいことの一つです。だからこそ、面接者はそこを確認するための工夫が求められます。まず、相手のコアを知ろうとすることを諦めないことです。見えないからいいや、他にもっと良い人がいるだろうと思った瞬間、本当に目の前のことしか目に入らなくなる。それでは、面接者としての役割を放棄することになります。

そのようなコアを見ようとする姿勢で面接に臨んでいると、学生と話をしていて「なるほど!」「おや??」と思いはじめ、「なぜそんな行動をとったんだろう」と知りたくなります。そして、「その時にどんなことを思ったのか?」、「そう思うきっかけとなった過去の困った状況や追い詰められた経験は何か?」など、自然と聴きたくなります。もちろん、どうしても面接の会話だけでは見えづらいものもあります。よって、コアに対して別の角度から踏み込んでいる適性検査の情報なども活用しながら、面接者の質問の幅を広げ、内容を深めて、本人理解を進めていくことも大切です。

こうして、その人をもっと知りたいという貪欲さに採用担当者としての視点や姿勢の違いが出ます。学生に「この会社で働きたい」と思える面接について聞いたアンケート結果を見ても、「一人の人間として知ろうとしてくれた」という面接者の姿勢に強く動機づけられていることが分かります。
たとえ不合格だったとしても、このような面接の対応は採用できなかった人の納得感という意味も含め、結果的に、企業の採用力として大きな差がつくところですね。合否結果はいずれであれ、「あの面接では、自分のことを十分に引き出して理解してくれた。その結果なら・・」と思えること。わたしは採用担当時代、これだけは大事にしていました。合否にかかわらずできるだけお互いが元気になるような面接をしたいものです。

この時期の採用活動だからこそ、これまで以上に採用活動を通じて社員や組織が元気になり、そして学生にも元気を与えられるような視界で採用担当者が取り組むことが求められていると思います。「これまでの仕事の枠を飛び越えよ!」です。

※来月は、引き続き國本が、弊社の採用責任者として行った「内定~入社導入施策」と「採用活動の底力」について語ります。

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