導入事例

採用・配属の精度を上げるための
SPIデータ分析による人事業務DX化への取り組み

NECネッツエスアイ株式会社
大卒採用
目的・課題

一人ひとりを大切にする採用、配属プロセスにおいて、本人の意向に寄り添うだけでなく、本質的に人となりがマッチする部門も見つけることで、再現性高く、属人性の低い手法を実現する

SPI3の
活用方法

SPI3の検査結果や社内人事評価データを活⽤した、配属プロセスのDX化

効果

感覚的だった配属にデータの裏付けが伴ったことで、自信をもって決定できるとともに、本人の納得感も高まった

学生一人ひとりに寄り添った採用活動を目指したい

労働人口が減少し売り手市場が続く昨今では、どの企業においても、優秀な人材をコンスタントに採用し続けるのは難しい状況にあるのではないでしょうか。そんななかでも、優秀な人材に入社の意思決定をしてもらうことを目的に、NECネッツエスアイでは「Candidate Experience」*1を直近の採用ビジョンとして掲げました。
候補者がNECネッツエスアイを認知する段階から、選考、入社に至るまでのタッチポイントは多岐にわたります。一つひとつのタッチポイントを通して当社のファンになってもらうために、「体験を通じて与えたい印象」「提供したい価値」をデザインすることに力を入れています。
*1 候補者が、企業について認知してから選考が終わるまでの、あらゆる局面・接点(タッチポイント)での体験を意味する概念。

上記ビジョンや採用活動で大切にしているのは、「候補者一人ひとりを大切にする」という前提の考え方です。
NECネッツエスアイは社会のあらゆる場所のインフラをつくっているため事業領域は広く、さまざまな分野にチャレンジできる可能性を候補者に示せるという強みがあります。しかし、それは候補者にとって、選択肢が広すぎるがゆえに自分にフィットする事業を絞るのが難しいという側面もありました。そこで、インターンシップや面接、面談を通じて個々の学生と深く接する機会を設けています。価値観や仕事に対する思いを聞き取って、採用や配属に活用してきました。それぞれの個性や性質、志向性を踏まえて、最もフィットする分野を一緒に考えていくことが、学生・当社方にとって重要なことだと考えています。

オンライン採用の影響で、学生との接点が希薄になっているのではないか?

採用プロセス全体では、候補者とのコミュニケーションにかなりの時間を費やしていると自負しています。しかし、オンライン採用が主流になってきたこともあって、1人の候補者と接する密度が希薄になってしまっているように感じていました。そのため、手元にある情報だけでは、自信を持ってその人の特性に合った配属を決められないことも増えてきました。

また、面接を通して、活躍する人材を見極める手法や配属決定方法の再現性は、課題の1つでした。最終的には、コミュニケーションを継続してきた採用担当者の感覚や思いが決め手になっていたので、「どうしてその決定をしたのか?」の検証がしづらいのです。ただ、こうした学生に寄り添う採用ポリシーがNECネッツエスアイの良さでもあり、今後も大事にしていきたいと思っています。そこで、候補者一人ひとりに寄り添うためにも、担当者にはパワーを割くべきところだけに集中してほしいと考えました。必ずしも人の目を必要としない部分はデータを活用するなど、デジタル化でサポートできないだろうかと検討を開始しました。

活躍の可能性を高める初期配属を実現したい

初期配属の決定プロセスの課題として、本人からの希望が一部の職種に偏りがちという点が挙げられます。NECネッツエスアイは、ネットワークをコアとするICTシステムの企画・設計・構築の提供のほか、施工・通信工事、保守運用・監視サービスなど事業の幅が広く、職種も多岐にわたります。広すぎるがあまり、一部の職種に希望が偏ってしまうのです。学生にとって、仕事や職場は当然ながら未知の世界なので、採用過程で知ることができた、あるいはイメージが湧いた職種に興味が向くのは致し方ないでしょう。ただ、本人の「やりたい」気持ちが表面的である場合も少なくありません。人事としては、単に本人の意向に寄り添うだけでなく、より本質的に、人となりとマッチする部門を見つけて、当社の事業への関心を高めていってもらいたいと思っていました。

入社後の課題感としては、若手社員の定着です。もともと、従業員の定着率は高いのですが、数年前に若手の退職が若干増えた時期がありました。
これまで離職率が低かった分、社内では「若手の退職者が増えたのでは?」と感じる人が多かったようです。従業員一人ひとりを大事にして、なるべく長く働いてほしいと考えていたため、初期配属のマッチングの精度をもう少し向上させられないかと考えました。

SPIデータと事業部ごとの活躍度の関係に着目

初期配属の検討においては、SPIデータと人事評価データを活用することにしました。
SPIは採用選考時の判断基準や、面接者の参考資料として長年使用していました。この人物データを採用のみならず、配属場面でも指標として活用できるのでは?と考えたことが、今回の取り組みの入り口になりました。採用から配属まで、同じ指標で人物を捉えることができるのは、SPIの利点の1つであると考えたのです。
具体的には、入社後の活躍の状態と、入社時のSPIデータの関係性に着目しました。事業部ごとに適応や活躍の可能性が高い人材を分析・可視化することで、初期選考の最適化、配属の精度向上、活躍できる人材の再現性向上を目指すことを目的にしました。
これまで、採用選考時の判断基準や、面接者の参考資料としての使い方が主だったSPIを、こうした形で活用したのは大きなチャレンジで、新しい取り組みでした。

SPI×人事評価データを分析し、課題解決に取り組む

具体的な進め方ですが、まず社員の人事評価データを数値化しました。人事考課、業績評価、コンピテンシー*2、業績レビュー、能力レビューなどが、人事評価データに該当します。これに、SPIデータの対人面、協調性、活動力、課題遂行、組織適応、企画力などの傾向分析を掛け合わせて、データの可視化とマッピングを行いました。
その結果を活用して、「活躍の可能性が高い人材の可視化による初期選考」「職種ごとの活躍人材の可視化による職種別採用」「適性部署のマッピングによる初期配属検討」「上司、チーム員、コーチャーとのマッチング確認」といったことが可能になりました。
*2 優れた成果を創出する個人(ハイパフォーマー)に共通して見られる能力や行動特性のこと。
社内の反応は、かねてより採用や配属にデータを活用する話が出ていたので、特に反発もなくスムーズに導入できたと思います。今年(2022年)の新入社員が初めての取り組みなので、現場からのリアクションやオンボーディングの結果については、研修後に配属先に着任してから確認していく予定です。

新入社員本人・配属先の職場、双方にプラスの初期配属へ


現時点での取り組みの成果は、配属面で自分の感覚にデータという裏付けができたことで、より自信を持って配属先を決められたことです。
また、新入社員に配属の意図を聞かれた際、データ分析の結果も踏まえて説明を行ったところ、非常に深く納得してくれました。「自分が気付いていない適性があり、自分が知らない業務が会社にはたくさんあり、両者をマッチングさせることで可能性が広がる」ということを、データで示す効果はとても大きい、と感じています。潜在的にマッチしている部門を見つけて配属でき、そのことを新入社員自身に理解してもらえる点で、データの活用にとても手ごたえを感じています。
また、新入社員の活躍の可能性を広げるという意味だけでなく、偏りがちな職種の希望にも良い影響がありました。職種の希望を平均化し、各部門の人材ニーズにマッチした人を配属できるため、配属先の職場・組織にとっても良い取り組みになっている、と考えています。

DX推進で「人だからこそできる業務」に注力したい

今後の展開ですが、初期配属のさらなる精度向上にチャレンジしたいです。今年の結果を振り返って、より一層進化させていきたいと考えています。
次に、選考段階において、候補者にNECネッツエスアイの事業について理解を深めてもらう目的でもSPIを活用していきたいです。内定者の希望を聞き、SPIで見えない可能性も確認したうえで、弊社でできることの幅広さについて早い段階から伝え、一緒に考えていけたらと思います。
今年の配属での取り組みを契機として、SPIデータの活用範囲が広がっています。もともとは採用時に利用していた適性検査ですが、個人の資質・適性を可視化しているという意味ではHRデータの一種でしょう。既存社員のデータも分析して解釈することで、社内施策につなげていける可能性を感じています。部署別や職種別でもデータの分析を始めており、今後活用していく予定です。

当社では面接者やリクルーターの社員にも、SPIを受けてもらっています。自分自身の特徴が把握できるメリットがあるだけでなく、結果の解釈が深まることで学生とのコミュニケーションをよりスムーズにできる効果があるからです。

「ツールを使って選考や配属をする」「データを使って育成する」と聞くと、ドライなイメージを持たれる方も多いと思うのですが、人事としてはDX化によって「人だからこそできる仕事」に集中できる環境をつくりたいというのが真のねらいです。
毎年、私たち採用担当は1000人以上の候補者とお会いしていますが、一人ひとりに誠実に接することを忘れたことはありません。どんなにDX化が進んでも、候補者に会うことでしか得られない情報や直感も大切だと考えています。
SPIデータを含めたDXによって、人の熱で真摯に取り組む部分と、データを用いて生産性を高められる部分の切り分けをしながら、企業にとっても、候補者にとってもより良い採用を実現していきたいです。

人事部 採用担当 清水 尚子様 採用課長 菰田 典子様

NECネッツエスアイ株式会社

従業員数:
7,675名(連結/2022年3月時点)
業種:
通信・情報処理・ソフトウェアサービス 
課題:
  • 人材要件設計
  • 面接
  • 内定者フォロー
  • 配属

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