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コラム-定着 / 配属 / 育成

2010年04月シリーズ『人事のチカラ』 vol.2~新卒採用編~ 採用は会社全体を元気にするチカラ
インフローソリューション事業部 マーケティング営業部長 國本 浩市

「人事のチカラを信じ、人事のチカラを支援する」ことをコンセプトにした連載企画です。
今月は新卒採用をテーマにお伝えしています。
採用は会社全体を元気にするチカラ。

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
インフローソリューション事業部 マーケティング営業部長
國本 浩市

前回は、リクルート及び弊社での約20年の採用経験を基に、「生きた」採用要件の作り方、そして面接実施上の取り組みポイントについてご紹介しました。今回は、私が弊社で試みた「内定~入社導入施策」の事例と、これまでの経験を通じて実感する「採用の底力」についてお伝えします。

※國本の肩書は2010年3月インタビュー時点のものです。

入社、即、戦力へ。

写真:國本 浩市

弊社では、新入社員全員が4月1日から1ヵ月間、自社の採用スタッフとして働くという育成方法を取り入れています。お客様にこの話をすると「社内のこともまだよく分かっていない新人に!」と、驚かれることもあります。しかし実施にあたっては私なりの狙いもありましたが、それ以上に、新人に目に見える変化がありました。今回はその"変化"についてご紹介します。

実は、内定者の時から少しずつ採用現場に足を運んでもらいました。まず年明けの会社説明会で、自分自身の就職活動を学生の前で話す機会を設けました。自分自身がたどった就職活動を、学生の前で"客観的に話す"ことで、「迷ったり悩んだりしたけど自分の判断は間違ってなかった」そして「いよいよ春からこの会社に入社するんだ」という思いを新たにしたようです。また、1年前の大変さも思い出し、「後輩たちの役に立ちたい。自分ができることは何だろう」と自発的に考える機会にもなっていました。
内定者は、入社直前になると、何となく重い気持ちになる(いわば入社前ブルー)ことも多いものです。テストや卒業旅行などの忙しさもあいまって、私たち社員ともなかなか接点を持てません。しかし、内定時代に採用活動を手伝う機会を設けたことで内定者が元気づき、入社に向けての気持ちを後押しできたように思います。

入社前の集合研修でも、以前とは少し様子が違いました。入社後に採用スタッフを担当することが事前に分かっているので、研修現場で、仕事の意義や、自分たちに求められる役割行動にまで踏み込んだ議論が起こりました。入社前から、会社が大切にしていることを、具体的な行動レベルで理解できたのだと思います。

そして、いよいよ4月になり入社を迎えると、本格的に採用スタッフの仕事がスタートします。学生の誘導、面接の立ち会い・補助、資料・データの管理、翌日の準備......など、多岐にわたる業務を担当します。慌しい中でも、学生一人ひとりの書類を、責任を持って大切に扱わなければならない緊張感の高い仕事です。また、これら一連の業務は、チーム制で交代しながら進めます。他チームとはもちろん、チーム内でも動き方や考え方がすり合わなかったりと、現場ならではのプレッシャーやストレスを抱えはじめます。
そのため、一日の業務終了時には、必ずその日を振り返り翌日の動き方を決めるミーティングを行いました。その場はまさに、生きた研修実践の場です。私や先輩採用スタッフからは、基本的に細かな指示や介入は行いません。あくまでも新人たちが中心です。たとえどれだけチームの状況や雰囲気が良くなくても、何を反省し、どうやって翌日の行動につなげていくか、チームで決めて動くように促しました。「どうしたらいいでしょう?」と判断を求められても、まずは「自分で考えて」と返します。"我慢"が我々の重要な仕事でした。しかし、新人はこの過程で仕事の進め方の「正解」は一つではないことに気づきはじめたと思います。
また、自分が一所懸命サポートした学生が不合格になることもままあります。なんでだろうと考える。何とか応援したいと思っても、結果が変わることはありません。
学生時代とは違う、企業という仕組みの中で決めることの重み。またいくら頑張ってもどうしようもないことがあること。そして、正解の見えない中で葛藤しつつも、次の行動を進めていかなければならない現実があることを知るわけです。

一方、私たち人事にとっても得るものがありました。
新人に採用スタッフを任せることを決めたことで、内定時代の情報提供や入社直前研修でのチームビルディングのゴールなど、何をどのレベルまで求めるのかが非常に明確になりました。内定~入社までの一貫した育成の軸ができた感じです。
さらに、一緒に仕事をすることで、個々人の持ち味やグループ活動を通じての動きなどもより深く知ることができたことは貴重でした。本配属先を決める際には、あの上司に向いているか、こんな先輩とは合うか......と、具体的にイメージすることができました。そして、採用業務のピーク時にスタッフが増えたことで、これまで以上に応募者一人ひとりの質問などに答えることがきる実利もありました。

この取り組みは、採用人数の規模や採用方法の違いによって実施が適わないケースも多いとは思います。しかし、新入社員が初心、つまり自分が入社を決断したときの気持ちに立ち返る機会として類のないものだと思います。そして、当然ですがリアルな仕事の持つ緊張感や自分たちが前面に立つことの責任から生まれる悩みや課題は、採用業務だけではなく、その他の仕事でも大きな糧となると考えています。

採用の底力。

写真:國本 浩市

前回は、自社の採用要件を面接者と共有する方法をご紹介しました。
採用要件を理解するプロセスを通じて、面接者はあらためて会社の価値を再確認し、自身の仕事を振り返る機会になります。さらに、自社の組織文化といった、普段はあまり意識していないことを再認識することにもでき、採用要件の共有が組織の一体感を創り出す一助となることをお伝えしました。

今回ご紹介した採用スタッフの活動も、彼・彼女らにとっては、肉体的にも精神的にも大変だったと思います。でも、私から見ると日々新人たちの顔つきが変わり、お客様的な存在から真の仕事仲間へとたくましく変身していく姿がありました。真剣に入社を希望する学生に会うことで、自らの期待を再認識できる誇り。それを学生、ときに先輩社員と語り合い共有することの喜び。それらが彼・彼女らを成長させているのだと思います。

自分の会社の良いところや、自分の仕事のやりがい、頑張っている同僚のことを話す時、人は生き生きとします。だから社員が学生と会うと、社員自身もモチベートされます。この取り組みが定着していくことで、企業風土がより強固なものとなっていきます。採用活動とは、関わる一人ひとりが会社や組織・自分の仕事振りを振り返り、自分自身が元気を得るきっかけとなる取り組みでもあります。そして、社員個々、ひいては組織活性化にまで良い影響を及ぼす仕事であると思っています。

いま採用部門はどこも少ないスタッフで、かつ効率化も要求されています。現場に学生フォローの協力を要請すれば「人事の仕事だろう!」と反論がくることもあるでしょう。しかし関わる社内の人達も元気にできる仕事だからこそ、社内に向けても一つ一つの採用業務の意味や価値をしっかりと伝えることが、いま採用スタッフには欠かせない役割なのではないでしょうか。

私は、会社は、一人ひとりが少しずつでも元気になれば、それが互いに共鳴しあって加速度的に組織全体を元気にしていけるものだと思っています。だからこそ、このような時代に、採用活動ができる企業は、ぜひ現場の社員を巻き込んでほしいと思います。

「採用は、人材確保のみにあらず」、「会社を元気にする源なり」です。

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